先日は、

 

 

にて、構図について書きました。

 

 絵を描く場合も写真と同じなので始点の変化が生じますが、始点だけでなく被写体の状態の変化も生じます。これは、空間内の被写体の位置関係になりますが、基本的に、空間内には、

 

 
  ■ 被写体
  ■ カメラ

が存在しており、それぞれが6DoFの自由度を持っています。その為、単体の被写体とカメラだけでも空間内には2つのオブジェクトが存在するので、その相関関係で者の見え方は変わってきます。

 先日は、複数の被写体がある並びについて書きましたが、これについても


 
のような高低差や
 
 
のような平面的な位置関係の違いが生じます。当然、ここにパースの概念が生じるので、二点透視図法だと
 
 
のような感じになり、算定透視図法だと、
 
 
 
のような上に伸びるパースがつきます。この時の垂直方向のパースの状態は三角形の高さの違いによってコントロールが出来るので、無限遠に近いような状態のパースだととんでもなく遠い場所に存在する物を用意することになります。なので、これがパースがないレベルで実装されているのが二点透視図法で、奥側に消失点が来るようにしたものが一点透視図法になります。その為、一点透視図法で角が生じるような場合だとその場所だけ二点透視図法でパースを撮る方法がありますが、この時の基準はアイレベルになります。
 
 6dOfについては、
の中で触れていますが、空間内では、
 

 

 
のような軸移動と
 

 
のような軸回転があり、この2つを組み合わせたものが空間内の物体の持つ自由度になります。
 
 その為、
 

 
のような自由度が存在するわけですが、これがカメラと被写体の双方に存在するわけです。
 
 その為、
 
 ■ 被写体の位置関と向き
 ■ カメラの位置と光軸の向き
 
が変わって来るわけですが、これだけだと被写体に光軸が向かい条件が生じるので、カメラの光軸が被写体側に向いている必要があります。
 
 

視点と位置関係

 
 被写体を捉える場合
 
 
のような正面の状態と、
 
 
のようなあおりと
 
 
のような俯瞰の状態がありますが、これが被写体に光軸を向けて動かした時の状態になります。
 
 被写体が存在する場合、
 
 
のような状態になりますが、この時に視点を作る必要があるので任意の場所にカメラをおくことになります。
 
 
 これが被写体とカメラの位置関係になりますが、この時に
 
 
のように視点で見ている被写体の大きさはカメあRと被写体の位置関係が確定すると同じ状態になるので、
 
 
の円内で視点を変えても被写体が中心で大きさも同じ状態になります。これが、 【 肉眼 】 という単焦点レンズで見た時の状態になります。その為、
 
 
のような状態で平面的な視点を決めることになります。俯瞰とアオリは水平軸の軸回転になりますが、奥行き方向に軸を回転させると垂直と水平の軸を傾けた構造になります。そういった構図は基本的に行わないので、絵を描く場合だと、垂直と水平を取った状態で描くと思いますが、その時の条件として、距離と方角で構図を決めることになります。基
 
  ■ 水平
  ■ 垂直
 
を維持した状態で描く場合だと、
 
  ■ 方角
  ■ 仰角
の変更で対応することになりますが、垂直と水平の状態をアタ向ける場合には奥行き方向の軸で回転を入れることになります。

 

 基本的に、絵を描く場合には描く場所を決めてから出透けるなどで見えている範囲を切り取るので

 

 
 【 トリミング 】
 
という概念が存在するのですが、で透ける弟子着ているわけですから、これは単焦点レンズで見ているものの一部を切り取っているのでその状態になります。つまり、これは 【 人が絵を描く時の話 】 でしかないので、カメラの概念とは異なります。
 
 この状態を作る場合、
 
  ■ 奥行きの状態が固定されている
  ■ フレームの範囲を狭めている
 
訳ですが、これをカメラで行う場合だと、単焦点レンズで同じ状態にすればいいので、
 
 
の状態で考えると 【 ワーキングディスタンスを変更しただけ 】 ということになります。ちなみに、これはズームとは言いませんから、別のカメラワークになります。
 
 肉眼で見ているものをデスケルでフレーミングする状態は、フレームの枠のサイズが決まっているので、カメラで考えると、イメージセンサーの枠がでスケルで区切った矩形と同じ状態になります。
 
 単焦点レンズを使って見えている範囲を確定しようと思うと 【 近づくだけでその状態になる 】 ので、この処理はカメラワークだと 【 ドリー 】 を行っていることになります。つまり、スライダーを使ってカメラと被写体のワーキングディスタンスを変更している状態ですから、光学的な振る舞いで距離が変わっているわけではありません。
 
 この考え方だと、パースは常に固定された状態であり、
 
  ■ 距離感が一定
  ■ フレーミング内の状態が異なる
 
という状態なので、低価格のスマートフォンやタブレット端末でコンバージョンレンズを使わずに撮影した状態と同じになります。
 
 この条件で考えると、8MMフィルムの時代のエルモ出できているようなことすら出来ていない状態になりますから、映像で使われている構図の部分おいくつかの情報が欠落していることになります。
 
 現在はスマートフォンのフラグシップ製品でも
 
  ■ 複数の単焦点レンズ
 
を実装しているので、実質的に8mm時代のエルモとかの構造をその時代では取れなかった品質で撮影できる状態になっているわけですが、この時の被写界深度や奥行き感の違いが光学的な振る舞いを使った 【 ズーム 】 を使用した時の変化になります。
 
 この時に画角も変わるので見える範囲も狭くなりますが、それ以前に 【 距離の圧縮・伸長効果 】 が発生するので、ワーキングディスタンスの変更とは全く異なる状態が発生します。ズームの場合、
 
  ■ 距離感が焦点距離で変化する
  ■ フレーミング内の状態が異なる
 
ので、全く違うものになります。同じ杭にピントが来るようにして広角の24mmと天体望遠鏡のような超望遠域で撮影してみると結構な差が出ます。24mmだと

 

 
のようになりますが、超望遠域だと
 
 
のようになるので全く違います。同じ部分にフォーカスを当ててこの状態ですから、クロップをすると杭の数が異なるので、撮れるものが全く異なるわけです。超望遠域の撮影が
 

 

のように物凄く遠いものを撮影する場合に使用するので、クロップと同じと錯覚することがあるようですが、クロップは距離の変化でズームは焦点距離の変化による光学的な挙動ですから、この2つは個別に使用することが出来るものになります。その為、ドリーズームのようなカメラワークも存在するわけですが、これが同じものだとそもそもドリーズームというカメラワーク自体が成立しません。また、この技法もアルフレッド・ヒッチコック監督の 【 目眩 】 で使用されていますが、この作品で表現のために発明されたものが使用されているわけですが、面白い効果になるので他の作品でも使用されています。ただし、ヒッチコックズームではなく、ドリーとズームの併用による奥行きだけ変化する技法として用いられています。この効果については、

 

 

 

の動画の中でも使用していますが、焦点距離とワーキングディスタンスは個別に制御できるのでそういった表現が出来るようになっています。

 

 絵の場合も同様で、

 

 

のような距離がワーキングディスタンスになりますが、イラストを描く時の 【 パースでコントロールする奥行き感の変化 】 がレンズの光学的な物理現象を再現する際に使用するものになります。デザインの場合だとガイドとしてパース線を使って形を配置していく方法もありますが、基本的には 【 焦点距離の変化を絵に持ってくる方法 】 が透視図法になります。

 
 前述のように肉眼で見て描く場合には、相当広い範囲が見えてダイナミックレンジが広く取ってある特殊な光学系で見た世界の描きたい部分だけを切り取って用紙の中に描きこむことになりますが、同じ場所でもどのようにと切り取るのかで見え方が変わってきます。
 
 例えば、
 
 
のような空間がある場合、
 

 

の緑の枠で切り取るのと

 

 

のように青の枠で切り取るのでは全く違いますし、

 

 

のように赤い枠の部分だけで切り取るとその周辺で人が歩いている情報がなくなるので全く異なる印象になります。

 

 その為、こうした視覚情報の場合

 

  ■ 現場の状態

  ■ 意図してフレーミングしたものの状態

 

は異なるので、何を目的としてそれにするのかでフレーム内の状態は変わってきます。

 

 このフレーミングの考え方は、風景画のように描く対象を絞る時に行うものになりますが、この時に平面として物を見ようと思うと、平面的な枠を用意してその中に存在する平面的な位置関係の情報を取得して描くことになります。その時に用紙の中にどのように物が配置されるといいのか?やその視点はどこにあるだろうか?と考えて視点を模索することになります。

 

 この構図だと

 

 

のようにカメラを高い位置に用意して奥に抜けるように構図をした状態になりますが、奥ぬぬける構図でも

 

 

のように違う描き方も出来ます。これは、

 

 

のように低い位置にカメラを置いた時の視点になります。

 

 絵でこれを描く際に空間内の整合性を撮る時にこのカメラの高さをアイレベルで指定して、そのライン上に消失点を設けることでそこに向かって遠近感が発生するような構造にすることが出来るので、透視図法を用いると、カメラの視点お高さだけでなくパースやオブジェクトの位置関係も制御することが出来るようになっています。

 

 TODAY'S
 
用紙の中の状態

 

 先日は、構図について書きましたが、絵の中の構造物は座標年点お変化だけでなく構造物の状態も関係しているので、実際には、それがどういった構成になっているのかを考えることになります。

 

 

 

視線の先の世界の変化

 

 先日の内容で 【 被写体の見え方 】 を考えるKと尾が出来るようになりますが、 【 空間内の状態 】 を作る場合、カメラ側の作業だけでは対応できません。つまり、映像を作る際の 【 ファインダーで見えているものの状態を作る 】 作業が必要になります。

 

 ゲームの場合だとレベルデザインやモーションキャプチャーによるモーションの取得などになりますが、視点の変化がないFIXの状態でも、時間軸が存在する場合には、空間内の変化が生じているので、それがどのように変化するのかを考えることになりますえいぞうのばあいだと、、この変化をカット割りで切り替える場合もありますが、その場合には

 

  ■ 視点

  ■ 挙動

 

というものが存在しますが、この時にどういった動きをするのか?を考えることになります。3DCGAも実写と同じで、

 
  ■ セット
  ■ カメラ
  ■ アクター
 
が存在していて、光の状態が決まった環境下で動いているわけですが、絵を描く場合にも人物が存在Sる場合にはアクターの挙動が存在するわけです。
 
 絵を描く場合医はこの現実世界のような 【 推移 】 ではなく瞬間を描くことになりますから、考え方としては写真に近いのですが、この時に描く対象はどのような状態7日を考えることになります。
 
 
 

ポーズと視点

 
 空間内に人と風景が存在する場合、風景に対して人がどのように配置されているのかを考えることになりますが、イラストの場合だと、この辺りを自由に作れるのでパースで破綻しないように位置関係やサイズの整合性を取れば好きな状態を作れます。絵の場合、3DCGと同じで、 【 視点部分の物理的制約を受けない 】 ので、カメラで撮る時にはどうすればいいのだろうか?と思うような視点も作れます。なので、実写の場合だとコンテを描くにしても 【 物理的に撮影不能な状態にならないようにする 】 必要があります。

 

 物体を描く場合、基本となる形状で描くことになりますが、

 

 

のよな形状は、立方体や円柱で描くことが出来ます。こうした形状も視点を変えると表情が変わりますから

 

 

のような範囲で撮る場合と顔の寄りでは全く条件が変わってきます。その場合も

 

 

のように向きで見え方が変わりますが、視点が変化すると

 

 

のような変化が生じます。これが、カメラでみた時の視点の変化になります。これをcompositionと言いますが、絵を描く場合にもこの視点をどうするのかを考えることになります。これが先日の内容になりますが、絵の場合には被写体のポーズが存在するので、

 

  ■ 背景

  ■ ポーズ

  ■ 視点

 

の組み合わせで基本部分が構成されているので、ポーズも考える必要が出てきます。

 

 
 

ポーズ

 

 見て描く場合だと、その構造物がそういった形の集合で構成されているのか?を考えることになりますが、人を描く練習をするときには、リグで使用するボーンの・ようなものを用意して考えるとバランスを取りやすくなります。この場合、

 

 

のように頭が合って、首からいきなり腕が生えているのではなく、肩幅があってそこから肩から先の部分があるように考えると鎖骨の辺りを撮ることが出来るので、この丸の部分から回転させると方が回転する状態で腕の動きを考えることが出来ます。と言ってもこの状態だと腕を上に上げた時お挙動を描けないので、実際にはもう少し違った形のアタリを使うことになりますが、体の場合、胴体部分に

 

  ■ 鎖骨

  ■ 骨盤

 

のアタリを入れて考えるだけで違和感を減らすことが出来ます。この構造で考えていくと体の動きの大まかな形を取りやすくなるので、

 

 

のような感じで状態を作ることが出来ますが、この時の 【 その瞬間の状態 】 を決めて、それをどの視点で見た時の絵にするのかを考えることになります。

 

 これが対象の状態になりますが、最初に位置関係と視点を作っておいてその中でのポーズということになりますが、絵の中に存在する被写体の状態がどうなっているのかで絵の内容も変わってきます。

 

 
 

視点

 

 絵や写真の場合、 【 テーマ 】 を決めて 【 何が起きているのか? 】 を明確にした後に、風景と存在するものを考えます。その上で、それがどういった視点であればいいのだろうか?を考えることになります。この時に、被写体と風景の位置関係も決まってきますが、透視図法を用いるダアイ後この時の人物のダミー形状は直方体になります。つまり、視点を先に決めてその中でどのように人が配置されているのだろうか?と言う情報はこの段階で決まるので、その時の人の状態をどうすればいいのだろうか?を考えることになります。

 

 この時に、構図のラフはパースを考えない状態でざっくりと描いて何を描いたら効果的だろうか?と考えることになりますが、絵には視点があるので、どの視点で見たものなのかを考えることになります。

 

 その為、人が主体だと最初に

 

 

のように大きく描く茶衣装物をどのような視点で見たものなのかを考えます。この時にパースが生じるわけですが、この視点で生じるパースを基準に考えていくと風景との整合性が取れます。なので、最初に視点を決めて対象のパースを撮ることになりますが、その状態でポーズを考えることになります。

 

 これに対して風景画は逆で、風景をどの視点で見たのかを考えることになります。例えば、

 

 

では視点が異なりますが、このときにもパースは存在するので、風景を見つめる視点を作った後にパースを取って、空間を作り、その中に人物などを配置することになります。この際にそれぞれの人がどのような状態7日を考えて追加することになります。

 

 その為、絵を描く場合、対象が何なのかを明確にしないと主題を基準としたパースが取れないので視点を作るのが難しくなります。これは、写真や動画でも同様に考えるべき内容になりますが、主題を決めないと副題がきまりませんし、視点そのものをどうすればいいのかもあやふやになります。その為、視点や構図を決める場合には主題を明確にする必要があります。

 

 絵を描く場合には、被写体のポーズと構図を考える必要がありますが、これらは別のものなので、

 

 

がどうなっているのかを個別に考えて描くことになります。

 

 

 

 今回もコピー紙に描いており、Panasonic Lumuix DMC-TZ85で撮影しています。