写真や動画を撮る場合、センサーサイズが小さいと暗所は絶望的な状態になるので、レンズが良くないと厳しいということを書きました。これは、ビデオカメラでも同じですが、以前、日中の場合だと、NDフィルターがないと撮れない場合があるとも書きましたが、この条件については、1/2.5型でも影響を受けますから、日中に太陽のある方向を撮る場合だとシャッタースピードを上げないと無理が来ます。そこで、今回はそうした撮影時の露出について書こうかなと思います。

 

 

 所の撮影                      

 

 夜のアンダーの条件だと、小型センサー製品だと増感ができないのでどうにもなりません。その為、夜の撮影と言うのは無理ですから、コンシューマのビデオカメラには

 

 ■ ナイトとショット (赤外線暗視撮影)

 ■ ローライト    (スローシャッター)

 

が実装されています。パナソニックのビデオカメラだと、カラーナイトモードがもう一つ実装されているのですが、基本的に、APS-Cサイズ以上のセンサーを実装した製品のように高感度で撮影することはできませんから、そう言ったアプローチは小型センサーには存在しません。増感だと、α7SIIがかなり凄い事になっていますが、ソニー公式の動画で増を行った物が出ています。

 

 

こう言った撮影は、小型センサーの製品で行うことができません。行うとしてもノイズが増えるので、動画での増感と言う選択肢が存在しません。

 

 以前も書きましたが、1/2.3型センサーの受光面の面積はSuper 8よりも大きいですし、裏面照射型のセンサーの場合だと、暗所に強いので、フィルムのような感光体よりも光を取り込む能力に長けていますから、現在の製品では、フィルムと比較すると暗所に強い製品が多いのですが、大型センサーと小型センサーで製品の特性が異なります。現在は、

 

 ■ 大型センサーのDSLR製品  : 高感度カメラ

 ■ 小型センサーのビデオカメラ : 赤外線暗視カメラ

 

のような感じになっていますから、暗所撮影におけるアプローチが異なります。

 

 その為、基本的に小型センサーの製品だと、超望遠でレンズが暗い製品だと暗所は厳しくセンサーや画像処理エンジンに問題があると、日中の品質も厳しくなる傾向があります。

 

 その為、用途に応じて高感度と赤外線暗視を使い分けることになるので、ビデオカメラとDSLR製品は別の機能を持った製品と言うことになります。星を撮るような条件だと赤外線暗視は全く意味を成しませんから、増感の必要があるので、何を撮るのかで機材の選択が変わってきます。

 

 

 中撮影時にオーバになる問題         

 

 前述のように暗所だと小型センサーはどうにもならないわけですが、動画だとフレームレート以下のシャッタースピードを選ぶ場合、タイムラプスやハイパーラプスを行う事と同じですから、その条件での撮影と暗所での通常の撮影では全く意味が違います。その為、動画のようにフレームレートの縛りがある物だと、前述の二つの方法でしか適正な明るさにすることができません。

 

 この条件とは別に、日中に置いても、露出がオーバーになるので、カメラだけだとどうにもならない場合もあります。

 

 とりあえず、日中に太陽の向きにある被写体を撮ったものですが、

 

 

のような感じになります。これは4Kで撮った動画のスクショをリサイズした物になりますが、この撮影時の露出が

 

 ■ F8

 ■ 1/60

 ■ ISO 100

 

になります。つまり、F8まで絞って撮っているのにこの状態です。1/60というのは、西日本だと電球の点滅の影響を受けないシャッタースピード(東日本だと、1/50を選択すると電球などの人口の光の点滅を映像内で拾うことがなくなるので、ハイスピード撮影でもないのに映像がちらつくことはなくなります。)になりますが、このシャッタースピードだと画像のようにディテールがなくなるレベルで白トビします。これが、夏場とかではなく、11月になって撮った物になりますから、既に秋が終わって冬が来ているような時期の晴れた日の日中でこんな感じになります。これは、 Lumix DMC-TZ85で撮っているのですが、このカメラでは、フィルターが使えないので、露出でコントロールするしかないのですが、補正などを考えると、

 

 

のような感じまで暗くすることはできます。この時の露出が、

 

 ■ F8

 ■ 1/1300

 ■ ISO 80

 

になります。この条件だと、動体を撮った場合、ローリングシャッター現象が発生するのと、2160/30pだと映像が滑らかに動いているように感じないと思います。この理由はブラーがないので、映像が途切れているのでカクついて見えるわけですが、それに加えて、動体がかなり歪んだ状態で撮れてしまいます。

 

 その為、動体の状態を考えると、適正なシャッタースピードが存在しますから、その条件を考えると、小型センサーのカメラのように被写界深度が深い製品で絞りを絞って使ったとしても、NDフィルターを用いて露出を調整することになります。DSLR製品の場合、センサーが大きな製品だと、動画では露出オーバーになる条件が増えるので、NDフィルターは必須となります。動画を撮影する場合、DSLR製品の場合だと、F2.8のズームレンズやF1.4の単焦点レンズなどを使う場合もありますが、この場合、解放側で使う場合には、更に数段分車―スピードを落とす必要がありますから、NDフィルターで適正な露出になるまで落とす必要があります。動画で使用するシャッタースピードについては、 

【 フレームレートの倍数 】 になりますが、屋内や照明がある場合だと、リフレッシュノートの関係で1/50や1/60を使用します。これも日中に信号機を撮る場合や、屋内撮影をする場合だと、このフレームレートになります。24Fの場合、1/24まで選択できますが、残像感が強すぎるので通常はフレームレートの倍の数値を使います。また、1/24よりも遅いシャッタースピードが選択できないので、写真のようにシャッタースピードの自由度は存在しません。その為、速くする場合もグローバルシャッターの製品以外だと、ローリングシャッター現象の発生するリスクがありますから、通常のセンサーだと、シャッタースピードの選択の幅がある程度決まっています。

 

 動画については、適正露出で撮影することになりますが、グレーディングツールで後から調整ができますから、

 

 

 

 

のような感じ(この画像の状態は、流石にやりすぎですが、後処理でテイストの変更が可能です。とは言っても、8bit/:42:0の色深度とクロマサンプリングの状態で記録されたMEPG-4 AVC/H.264の映像の場合だと、JPEGを画像編集する時よりも調整幅が狭いので、RAWのような自由度はありません。その為、デジタルでの調整における選択肢は多く存在しますが、撮影ソースが酷い場合、後処理で元のソース以上にできるわけではありません。つまり、まともに撮影したソースよりもいい乗田にする選択肢は存在しないので、撮影時のソースからダメだとどうにもならないというのは今も現在も同じですし、フィルムとデジタルの双方で共通して言えることです。その為、撮影時にしっかりと撮る事が必要なのは何を使っても同じです。)にしたり、色調も色相の変更などでコントロールできます。

 

 

 りあえず                       

 

 小型センサーの場合、暗所だと写真でも無理があるので、動画だと絶望的な状態になりますが、明るい場所でも同様に露出がオーバーになる場合があります。今回は、

 

 ■ F8

 ■ 1/1300

 ■ ISO 80

 

で撮っていますが、シャッタースピードは1段で分母が半分になるので、1/1000位のシャッタースピードで適正露出だとすると、4段分遅くすると、1/50になるので、ND16が必要になります。また、レンズがF2の場合だと、これは√2づつ推移するので、4段分ほど違うことになります。そうなると、両方合わせると8段分違いますから、ND256相当になるので、ND16を2枚重ねるか、ND400を使って、2/3段分露出で明るくして使うことになります。これがフルサイズになると、1/2.3型でこの露出で大丈夫な場合だと、5.5段分くらい違うので14段分調整することになります。そうなると、ND1000+ND16の組み合わせで使うことになります。F2でそんな感じだと、解放側でF1.4暖簾巣を使う場合、更に1段分明るくなりますし、F0.95となると、2段分明るくなるので16段分ですから、そう言った条件になると、太陽などを撮るND100000を使うことになります。

 

露出を確認する場合、モニターの明るさがし尿ならない場合があるので、ファインダーがある場合には、ファインダー状態を確認する(と言っても光源がある場合だと光学式ファインダーを覗いてフォーカスを合わせると失明する恐れがあるので注意が必要です。)ことになりますが、液晶しかない場合だと、ヒストグラムを基準にして極端な偏りがない状態にして撮影すると影響が少なくなります。

 

 また、現在のカメラは、ゼブラ表示が可能なので、フォーカスの来ている場所や白トビや黒潰れを指定してその場所の階調がなくなっている場所を液晶内で確認しながら撮影できる仕様になっていますから、日中で暗い場所が存在せずハイライト側が飛ぶ可能性がある条件だとオーバーに、暗い場所が黒潰れする可能性がある場合だとアンダーに合わせておくと問題なない状態で持ち帰ることができます。

 

 ちなみに、マニュアル撮影で、

 

 ■ F8

 ■ 1/1000

 ■ ISO 100

 

で撮ると、

 

 

のようになります。現在はデジカメやミラーレスでは、メカシャッターではなく電子シャッターが使用できますが、電子シャッターを使うと高速でシャッターが切れます。これは動画でも使用できるので、日中ですが、

 

 

位までアンダーにできます。ちなみに、これが1/16000の設定で動画を撮影していて、それをスクショを撮ったモノをリサイズしています。

 

 ちなみに、

 

 

 

 

は撮影時間に数秒の差しかない(動画を撮って、露出を変えて撮っているので、映像の尺と露出の設定を行って、撮り始めるまでの時間分だけ時間の差があります)ので照度自体は同じです。

 

 動画の場合だと、スローシャッターの選択肢は存在しないので、タイムラプスやインターバル撮影の設定しかないので、基本的には、1/24が最も遅いシャッターづぴーどになります。一眼レフは少し違いますが、電子シャッターのある製品だと、シャッタースピードを上げれるので、動かない物を撮る場合だと、電子シャッターで車多―スピードを上げると、アンダーにすることができます。この場合に、シャッタースピード以外でコントロールする場合にNDフィルターを使うことになりますが、動画撮影時にはCPLフィルターを使うこともあるので、動画を撮る場合も写真と同様にフィルターねじの切ってある製品を選ぶ必要があります。

 

【 使用したカメラ : Lumix DMC-TZ85 】