新型コロナ患者数は、全国平均では一週間当たり6.53人。広島県では5.25人から4.76に漸減。数以上に軽症化が目立ちます。熱もあまり高くなく、咽喉が痛いだけ。普通の風邪と変わらないような人も多いです。自分でもコロナと考えていなくて、薬局で薬を買って治療して、コロナと診断されない隠れコロナ患者さんも多いと思います。
それに比べてインフルエンザは、一週間当たり全国平均で16.14人、東広島を含む西部東保健所管内で19,6人から23.0に漸増。これも最近はあまり熱の高くない、のどの痛みだけ。軽症の新型コロナと同じような軽い症状の人が増えてきました。A型は診なくなって、ほとんどがB型インフルエンザです。小児が多いです。もうしばらく流行するかもしれませんが、春休みに入れば減ると思います。それにも増して、マスコミの感染症の話題は麻疹、はしかです。

マスコミが連日恐怖をあおります。ワイドショーは、大谷選手の通訳の不祥事か、麻疹です。暇でワイドショーを見ている高齢者も、はしかに罹ることを心配している人が多いです。
2017年東広島市で、インドネシアに子どもを連れて里帰りした親子が帰国後、麻疹を発症。保育園園児及びその家族を中心に、11名の患者さんが発生しました。保育所と関係のない、ショッピングセンターですれ違った子どもも感染しました。東広島地区医師会では、医師会員だけでなく職員まで全員麻疹の抗体を調べましたが、50代一人60代二人70代三人の職員計6人の当院では、全員極めて高い抗体価でした。皆子どもの頃に自然感染してはしかの抗体を身に付けたものと思います。
52歳以上はワクチンを接種していませんが、すでに感染している可能性が高いと思います。従ってワクチンを接種する必要はまずありませんが、ご心配なら抗体価を調べてください。ただし、これはすべて自費になり、7000円前後のお金が掛かります。
生年月日が1972年10月から2000年4月1日までの人は、一回接種の可能性があります。2000年4月以後生まれの人は大体2度接種を受けていると思いますので、感染の危険はほとんどありません。
高齢者や若い人は、麻疹罹患の心配はないと思います。麻疹ワクチンの効果は、1回でもかなりあります。今の流行状況では、インフルエンザの方がまだまだ怖い状態です。
マスコミは次々新しい話題で視聴者の注目を引こうとします。過度に麻疹を恐れる必要はないと思います。東広島市や各医院には古い接種記録は残存していません。母子手帳をお持ちの方は手帳で接種回数を確認してください。