9 月 11 日(日)午前 10 時 30 分から、広島大学医学部霞キャンパスの広仁会館で吉益東洞顕彰会がありました。広島出身の江戸時代、古方と言われる日本式の漢方を確立した漢方家の吉益東洞を顕彰する会です。

【一般演題】の座長をさせて頂きました。この時季のスーツを持ってないのでカジュアルな格好で失礼しました。
①「更年期の愁訴に対する漢方治療における腹証の変化」 いでしたクリニック 菊本 修 先生
②「江戸幕末における福山藩の医学」 福嶋整形外科医院 福嶋裕造 先生
③「契因命証について」 漢方京口門診療所 山崎正寿 先生
三つの発表の司会をさせてもらいました。

一般演題終了後、広島大学構内の東洞碑へ献花と来賓挨拶 。

コロナのため東洞祭が久しぶりなのに、朝雨が降って献花が出来ないのか心配しましたが、雨も上がり予定通りできました。

昼食後、来賓の千葉大学名誉教授寺澤捷年の特別講演がありました。
演題名は『東洞の岩手南部候往診の新資料』
東洞が請われて南部藩の殿様の治療に出かけましたが、その様子が南部藩家老の日誌から明らかになりました。末期状態の殿様の治療は上手くいかず、お咎めが弟子にまで及んだそうです。当時蔓延した梅毒を治療できたのは東洞の治療法だけだったようで、東洞の治療体系はこの時代の最先端医学であったようです。机上の空論でなく、治ればいい、と言う実証主義的な考え方は、西洋医学を受け入れる素地も作ったのではないか、と寺澤先生は話しておられました。実際に東洞の医学を勉強したもので西洋医学に転じたものも多かったようです。
久しぶりに広島漢方研究会の会員以外の人も出席した会になりました。このままコロナも落ち着いて、来月この会場で行う予定の全国大会の日本漢方交流会も無事行うことが出来たらと思います。