トシですから夜中に目を醒まして、ラジオを点けたら、山形からのNHKのラジオ深夜便で岸 洋子さんの<希望>と言う歌をやっていました。


岸さんは、1935年3月27日ですから、わたしより一回り以上年上のかたです。
シャンソン歌手、カンツォーネ歌手。越路吹雪が<魅せる歌手>と呼ばれたのに対して、彼女は<聴かせる歌手>と呼ばれていたそうです。低音で、落ち着いてゆったりした歌いぶりの歌手でした。美人でもないのですが、性格も歌い振りも誠実そうな、好感のもてる人でした。
『夜明けのうた』『恋心』『希望』などヒット曲を連発していましたが、1970年9月下旬に膠原病を発症し、病気と闘いながら歌手活動を続けていましたが、1992年12月11日、57歳で亡くなられました。
1964年(昭和39年)『夜明けのうた』で第6回日本レコード大賞歌唱賞を受賞しました。高校の音楽の先生が、岸さんのこの歌を気に入って、授業で<夜明けの歌を>私たちに歌わせました。音楽の先生も認める芸大出身の実力歌手と言うことで、気に留めていましたが、その後、大学入学後に、岸さんの<希望>がヒットしました。
この歌、1970年度に、通算約50万枚を売り上げる大ヒットとなって、岸さんの代表曲の一つになり、この曲で1970年の第12回日本レコード大賞・歌唱賞を受賞しましたが、病気で授賞式にも出席できず、岸さんは、同年の紅白歌合戦も出席できませんでした。


<希望>が流行った時期は、大学紛争の大学構内への機動隊導入などの混乱の時期で、先行き不透明な暗い時代で、そういう暗い歌や漫画も多かった時期でした。岸さんの<希望>は、あの当時の時代の風潮の中で貴重な歌でした。私も、ずいぶん励まされました。

この日の放送を聞いたのをきっかけに、衝動的にアマゾンで岸さんのCDを2枚買ってしまいました。