団塊世代開業医の漢方な日常-注射

おたふくかぜワクチン、水痘ワクチンもがいまだに定期接種のワクチンになっておらず、
ワクチン接種率の低いこの二つの病気は、流行するままになっています。
ワクチンに関して我が国は遅れています。
予防接種についてネガティブな面だけを報道して、不安をあおってきたマスコミにもこの責任の一端はあると思います。
一頃、予防接種の同時接種が危険なもののような報道がされ、
同時接種を拒否される方もいましたが、接種するワクチンの種類が増えたので、
同時接種をしないとスケジュールをこなせなくなってしまいました。
接種ワクチンが増えてきた現在では、4種類、5種類のワクチンの同時接種も当たり前になってきました。

日本小児科学会の公式見解で、同時接種について下記のことが発表されています。
1) 複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンに対する有効性に影響はない。
2) 複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの副作用の頻度が上がることはない。
3) 同時接種において、接種できるワクチン(生ワクチンを含む)の本数に原則制限はない。
また、接種する場所も、従来の上腕伸側下3分の1のほかに、
三角筋部、大腿の外側部などにも接種が認められるようになりました。

同時接種の利点として小児科学会では下記の点をあげています。
1) 各ワクチンの接種率が向上する。
2) 子どもたちがワクチンで予防される疾患から早期に守られる。
3) 保護者の経済的、時間的負担が軽減する
4) 医療者の時間的負担が軽減する
これらのことから、日本小児科学会は、ワクチンの同時接種は、
日本の子どもたちをワクチンで予防できる病気から守るために必要な医療行為であると考える、と宣言しています!!

VPDのホームページには、スマートフォン用のワクチンスケジュールの無料アプリも掲載されています。こういったものも利用されて、予防接種の同時接種によってお子さんに早く抵抗力をつけてあげたいものです。
http://www.know-vpd.jp/vc_scheduler_sp/index.htm