タイで家庭内職 始動  | カワシマ株式会社 スタッフブログ

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愛知県名古屋市にある自動車内装用部品メーカーです。
自動車トップメーカーであるお客様からの信頼に応えて半世紀以上。
フットワーク軽く、真面目に取り組む当社スタッフの日常をブログで発信しております。

月曜日ブログ担当の川島です。

先週末から今週一杯、タイに来ております。

 

カワシマは、日本国内において、大勢の家庭内職さんによるものづくりを長年行ってきました。

年齢、職歴、技量など多岐にわたる内職さんをたくさん募集し、品質要求の高い自動車部品を作っていくことは、本当に大変なことですが、数十年近く実践してきたカワシマのノウハウによって、お客さまの要求にも応えご評価をいただいております。

 

そして今回は、日本で培ったこのノウハウを、タイで展開しようとする試みです。

 

人件費が高騰してしまったタイにおいて、安くいいモノを作りたいという当社側のニーズと、会社勤めではなく安定的な収入が得られない、所謂「Informal Worker」を少しでも減らして労働問題を改善したいという、タイ労働省の思いの双方がマッチングし、日本型の内職システムをタイに移植するプロジェクトが1年ほど前から始動しました。

 

ところで、タイには、古くから内職仕事はありました。

民芸品やお供えの花は家庭内職さんによって作られますが、企業と内職さんが直接契約するのではなく、間にブローカー等が入るため、きちっと賃金が支払われないなどのトラブルが多いようです。

今回は企業と内職さんがきちんと契約を直接結び、作業指導や品質管理をしっかりと行い、仕上げた数量を企業側でしっかり把握して工賃を直接支払うという日本型の内職システムにチャレンジします。

 

当初は、

・文化も習慣も違うタイにおいて、日本型の内職システムが受け入れられるか?

・そもそも内職作業を希望する人がいるのか?

・材料や道具類が持ち逃げされないか?

・自宅などの作業環境は大丈夫か?

など、不安な面がたくさんありましたが、日タイ両政府から「公益社団法人国際労働財団(JILAF)」と、タイNGO「HomeNet Thailand」をご紹介いただき、両団体からの手厚いサポートをいただくことによって、不安が安心へと変わり、トライアルまで辿り着くことができました。

 

様々な検討段階を経て、ようやく本日、バンコクの農村部(ミンブリー近郊)にある内職希望のグループと繋がり、地域の集会所に集まって、内職さんに作っていただく製品の説明会を行いました。

 

ちなみに、今回参加いただいた内職希望のみなさんは、全員、内職経験のある近所の人たちです。

農村部であるため、農業の繁忙期以外に、様々な内職を掛け持ちしてますが、どの内職仕事も量的に季節変動が大きく、自動車部品のように年中通じて一定量仕事があるのは、大変ありがたいと言われました。

 

説明会が開催される地域の集会所。

 

開始時刻の9時を過ぎ、参加者がポツポツ集まる感じ。

これも時間に寛容すぎるタイならではの光景。

有線電話で、「9時から始まりますよー」の村内一斉アナウンス。

昔の農協有線電話のよう。

 

近所のおばあさんや、子連れの主婦など、20数名集まりました。

冒頭に、会社紹介、内職仕事の説明、質疑応答。

みんなやや緊張した面持ちで、真剣に聞いてくれます。

 

そこに突如として、おじさんがやってきて、何やら仕切り出す。

どうやら地域のリーダー的存在の人で、内職希望者の声を代表し、いろいろと質問攻めに。

 

作業の実演。

内職希望のみなさんも、今までやったことのない作業であるため、のぞきこむように、興味津々。

作業帽をかぶっているのが、講師役のカワシマタイ ベテラン社員。

 

さすがは、内職経験豊富な近所の人々。

細かな作業ですが、飲み込みが早い。

 

さて、この日本型の内職システムが、タイにて根付くかどうか??

 

これをモデルケースに、ハンドメイド文化が盛んなチェンマイ・チェンライ・イサーン地方など、さらに遠い地域にも日本型内職システムを展開し、将来的にはミャンマー・ラオス・カンボジアへも、、、、、、。

JILAFの方と一緒に夢を膨らませています。

いずれにせよ、カワシマの仕事によって、少しでもタイの労働問題の改善に繋がることができれば、大変うれしいことです。

 

ではでは