夫からの贈り物 | かわしまさんの介護のすゝめ

かわしまさんの介護のすゝめ

福沢諭吉の里、大分県中津市より在宅介護について発信します。

川嶌整形外科病院の関連施設【在宅介護部門】のスタッフ全員で交代に更新しています。

毎日の業務お疲れ様です。

ケアマネのおすみです。ケアマネージャーとなり、気がつけば、10年経ちました。


ケアマネージャーとして初めて担当となった利用者様。

現在も支援継続中。この10年間、在宅生活を続けられています。


初めての病気が、特定疾病の発症。

初回面談の時

「なんでこんな目に合わなきゃいけないの?」と、泣きじゃくる姿を見て、初心者マークの私は「どうしたらいいの?」と戸惑った事を覚えています。


この頃は要介護でしたが、経過と共に、状態は安定し、要支援へ。

2人暮らしの夫は、本人のできない部分を優しく温かくサポートしていました。


その夫が、

「いってきます。」と仕事に行き、職場で急変。

そのまま、約3年前に他界されました。

本人の落ち込みは強く、毎日泣きじゃくっている姿から、今後の一人暮らしが不安視されました。


この度、介護保険の更新で、自宅で4事業所が集まり担当者会議を開催していたときの事です。

「トントントン…。」と、玄関の戸を叩く音。

「ごめんください。」と、前の家のご主人が訪ねて来られました。

「どうかされたんでしょうか?」と不安げな表情。


「介護保険のサービス担当者会議を行っています。」と担当ケアマネージャーとして説明。


気づくと、玄関先に立っているご主人の後ろに、ずらりと近所の方々が集まっていました。

そして、皆さん一斉に「良かった。」と安堵の表情。

本人様も出てきて、その元気な姿を見て、再び皆さん安堵されました。


本人様によると、亡くなったご主人が、生前近所の方々の困っていることをお手伝いしていたそうです。

ご主人の亡き後は、近所の方々が交代で、食事の差し入れや買い物、ゴミ出しのお手伝いなどしてくれているとの事。

本人様は「夫に感謝です。」と笑顔で話していました。


思わぬ形で夫とお別れでしたが、今は亡きご主人がしてきたことが、このような形で本人様の一人暮らしの安心へと繋がっていました。


次回更新時も、現状維持を目指し、近所の方々と共に支援していきたいと思いました。