カタクリ まぼろし?ではない!たった一株 | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

これは昨日の午後のことです。

 

カタクリといえば

今ではなかなか見ることができません。

 

雑木林の落葉樹が芽吹いて日陰になる前に

いち早く花を咲かせて受粉を終えてしまう

スプリングエフェメラル(春の妖精)の代表です。

 

近場でなら

目黒の自然教育園、小石川植物園など

手付かずの自然が残されている土地でなければ

見ることは叶いません。

 

それがご近所を散歩していたら

目の前に現れたのです!

たった一株。

 

カタクリは花を咲かせるまでに

7年かかると言われています。

 

発芽した年はひょろっとした

単子葉植物のような細長い葉がたった1枚。

2年目から6年目までは

出てくる1枚の葉は

その形が徐々に大きく丸みを帯びていきます。

 

そうして根茎に養分を貯めて

7年目にしてようやく2枚の葉が出るようになると

花を咲かせる。

 

ですからこの株も

7年はここで毎年少しずつ栄養を蓄え

ようやく花を咲かせるまでに成長した

ということになります。

 

花は下向きに咲きます。

ハチやチョウが受粉の手助けをしやすいように。

こっちを向いて欲しいのですが

柵で囲った中なので、残念ながら

この角度でしか見ることはできません。

 

葉は緑と茶のまだら模様が特徴です。

2枚の葉は一枚が先が尖って細長く

もう1枚は丸みを帯びています。

 

通常は群生しているものなのですが、

たった一株、というのがなんとも不思議で

ほかにもあるかもと見渡しましたが

それらしきものは見当たらず。

かつてはたくさんあったのでしょうか。

私有地ですが

かなり前から手付かずの土地です。

 

もちろん祖師谷公園にもありません。

 

まさかご近所で見られるとは!

天からのプレゼントかもしれません。

 

どうか来年も見られますように・・・

 

カタクリといえば、ここ。

今年はもう咲いているのでしょうか。