仙川沿い裏山造成工事 祖師谷公園? | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

いつも通る仙川沿いの遊歩道の一部の光景が

すっかり変わってしまいました。

何が変わったかというと

川の遊歩道に面した裏山のような小高い一角が

やけに明るくなったのです。

これまでは向こう側は見通せない

鬱蒼とした森だったのですが

突然なんの前触れもなく

こんなに空が見えるようになってしまったのです。

 

これまで中の木はほとんど見えなかったのですが

そこに現れた樹木は

ムクノキ、アカマツ、ケヤキなど

どれも見事な大木で

いったいいつからの森だったのだろうと

驚きました。

 

かなりの木を切ったのでしょう。

ケヤキやエノキ、ムクノキとおもわれる

太い切り株があちこちに見えました。

 

個人の所有地なら

裏山が失われても仕方のないことですが、

言いようのない寂しさでした。

 

そのことは

朝いつも顔を合わせる仲間との話題になり

情報を寄せ集めると

なんとなく概要がつかめてきました。

 

そういえば、数年前のある日、

飛び地の一角にこの白い大きな告知版が建てられたのでした。

向かいはクリ林です。

 

平成30年4月18日が告知日とありますから3年半前でした。

告知内容は

「地図上の黄色い場所が公園用地になる」というもの。

主に用地買収に関する法律上の手続きなどが書かれ

肝心の黄色い場所がいったいどこか

皆目見当がつかなかったので、そのまま忘れていました。

 

ここでようやく話が見えてきました。

地図にあるこの黄色で塗りつぶされた場所が

仙川沿いの裏山なのでした。

地図上の赤い線で囲われた土地は

おそらく昭和32年に決定した都市整備計画により

都立祖師谷公園に組み込まれる予定地なのでしょうが

現在はほとんど住宅街。

現在約9.3haの園地を53.3haに拡張する計画で

ちまたでは300年かかっても

達成は無理と言われています。

 

仙川沿いの遊歩道の裏山の位置関係に間違いなさそうです。

 

仙川沿いからではなくて

その反対側から現場が見える場所がある

と仲間に教えてもらい行ってみました。

なるほどフェンスの向こうが雑木林になっていて、

 

重機が入ってまさに造成中です。

 

そういえば、

ここ数日、

タヌキを見た!ハクビシンを見た!

という話を仲間から直接聞きました。

おそらくここを追い出されたのでしょう。

タヌキは仙川のカルガモのそばにいたというのですから

パニック状態だったのでしょう。

 

森だったころは

アオゲラもいたんです。ウグイスもよく鳴いていましたし

ルリビタキがひょっこり顔を出すこともありました。

 

サンクチュアリィにしたいような手付かずの森。

そこの「造成地」に「都立公園」

なんとも理解に苦しみます。

 

*祖師谷公園整備概要(東京都都市整備局ホームページより)

本公園は小田急線成城学園駅の北約1kmに位置し、仙川中流とその左岸側の台地からなっています。昭和18年に防空緑地として計画決定されたのが前身で、その後、昭和32年に東京都市計画公園として改めて決定されました。その後、農地の宅地化で事業が困難となっていたが、旧東京教育大学農場の跡地取得をきっかけに事業が進むようになりました。河川沿いにあることから、東京における水と緑の骨格軸をなす大規模公園と位置づけられており、現在、用地取得・拡張整備を行っています。開園区域は仙川沿いの部分で、テニスコート、はらっぱ、親水テラスなどがあります。なお、計画区域内には一部、区立公園も開園されています。