ふりかえれば、これまで
水玉には何回も驚いてきました。
例えば針葉樹が受粉するときに出す「受粉滴」。コノテガシワの花を撮影したら偶然写っていて、
最初は何かわからず、わかったときは植物の巧妙な仕掛けに心底驚きました。
これは「溢液」(いつえき)ということはわかったのですが
カタバミの中でも
なぜイモカタバミだけに起きる現象なのか、
こちらも私なりに考えましたが
謎のままです。
で、ひさびさの未確認物体です。
水玉の大きさは大小あります。
まず考えられるのが、
花外蜜腺という花以外にある蜜腺から出た蜜。
でも蜜腺らしきものは見当たらず
あちこちから出ていますから、違うのかな。
蜜ではなくて水分だとすると
イモカタバミ同様、不要な水分を放出しているのか。
でも水孔らしき穴はどこにも見当たらない。
なんてことを考えながら家に着いて
検索しました。
「ヤブガラシ 蜜腺」
検索結果はたくさん出てきて
関係ありそうなものを読んでいくと
わかってしまいました!
これは真珠体 pearl bodies または 真珠腺 pearl glandsとよばれる
植物体由来の栄養体なのだそうです。
「謎の球体の正体」というタイトルで詳しい考察がのっているのですが
海外の文献にもあたり、よくここまで調べ切ったものだと感心する内容でした。
その中でいちばん納得したのは
「ブドウ科ヤブガラシの葉裏や新梢には真珠体という栄養体がみられこれを利用するコウズケカブリダニがハダニの食害からヤブガラシを防衛している。【小澤・矢野】
というものでした。
ヤブガラシがダニの食害から自らを守るために分泌する液体、ということなんです。
サクラの蜜腺がアリを呼ぶことで、食害する虫をアリに食べてもらう、
というのと似ていますね。
ただしこちらの成分は糖質の蜜ではなくて「脂質、タンパク質、炭水化物に富み」
だそうです。
詳しく下をご覧ください。
ということは、ヤブガラシの真珠体を食しているコウズケカブリダニ
がヤブガラシにいる!ということになります。
次はこのコウズケカブリダニを探せ!
ですね。