クサフジ と ナヨクサフジ 仙川のはどちらでしょう? | 驚きの日々!祖師谷公園をめぐる四季

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森林インストラクター。ラジオ体操と太極拳で毎朝訪れる祖師谷公園には樹木や花、昆虫や鳥たちもたくさん。そんな公園の四季の変化をお届けしています。祖師谷公園散歩のお役に立てばうれしいです。なお写真のご利用はお控えください。

仙川の中洲にはクサフジが咲いていて

そろそろ終わりなのですが、

しばしばコメントをくださる方から

仙川のクサフジは

「ナヨクサフジかクサフジかどちらでしょう」

というお尋ねがありました。

 

「木本」に比べると「草本」は数も多く分類も細かいので

あまり熱心にはなれずにいて、

ナヨクサフジの存在もそういえば聞いたことがあったな

くらいだったのです。

 

先週、久しぶりに多摩川サイクリングロードを走ったら

河原は一面の紫!(写真がなくてすみません)

それがナヨクサフジでした。

 

マメ科のかわいい花なので少しいただいて

観察することにしました。

 

これが多摩川のナヨクサフジです。

 

図鑑によると、

特徴は「旗弁の爪部が舷部より長く」

(筒状部が反り返った部分より長い)

 

「萼筒の基部はまるくふくらんで後ろにつきでる」

 

「托葉はミトンのような形」

 

小葉は14枚ほど。

なるほど、どれも当てはまりました。

 

対する、仙川です。

 

川辺に降りられないので、

カメラのズームで見るしかないのですが、

小葉の数は18枚はあります。

 

花の旗弁の爪部と舷部の長さですが、

同じくらいの比率に見えます。

 

で、萼筒の基部ですが、

後ろにつきでているというより、

基部に軸がついているように見えます。

 

托葉は見えません。

 

というわけで、

仙川のはクサフジのような気がしますが

確定はできません。

 

そういえば、犬の散歩で通った道にも

クサフジがあったことを思い出し、

行ってみました。

 

近くの空き地のフェンス

 

もう花はかなり終わっていましたが、

 

この小葉のパラパラさ具合。

 

托葉のミトン。

 

お尻が突き出ている。

 

これらの特徴から

おそらくナヨクサフジでしょう。

 

ナヨクサフジは漢字で書くと「弱草藤」。

小葉のつき方がぱらぱらしていて、

なんとなく弱々しく見えるからでしょうか。

見た目の様子と実際は大きくかけ離れていますね。

ヨーロッパ原産の帰化植物です。

 

一方、クサフジは北海道、本州、九州に分布する

在来種。

 

今後、この両者の勢力分布はどうなっていくのか、

注目です。