ここはみんなの森の近くの栗林。クリはもうイガが落ちているものもあります。
そこを通り過ぎようとすると、目に入ってきた不思議な物体がこれです。
綿菓子のように白くてフワフワしていて、宙を舞っているように見えます。大きさは子供の小指の先くらい。
風にゆらゆら揺れて反対側が見えると、ベージュ色をしたつやつやしたものが入っています。
細いクモの糸のようなもので繋がっているので、最初はクモかと思ったのですが、どうも違うようです。
細いクモの糸のようなものは下に伸びているだけではなくて、
上にも伸びているのですよ!上はクリの木。高いクリの枝から下がってきているようなのです。
下はといえば、この写真ではわかりにくくてすみませんが、クモの糸のようなものは、下の草にしっかりとくくりつけられているんです。
つまり上のクリの木と地面が細い糸で繋がれ、その地上から1mくらいの位置にこの虫らしき謎の生き物がいるというわけです。
なんだか赤ちゃんがおくるみにくるまっている姿みたい!
SNSで教えを請うと、すぐに信頼できる方からの応答があって、「セミヤドリガ」の幼虫だそうです。
セミとは主にヒグラシを指し(アブラゼミやミンミンゼミのこともある)、セミに宿って(寄生して)成長する蛾の幼虫でした!
そしてこの写真の場面はセミに寄生していた幼虫が木から離れ、地上に降りてくるところ。
この後、幼虫は地上の適当な場所で繭(まゆ)を作り蛹(さなぎ)になって、やがて成虫の蛾(が)になって出てくるのだそうです!
いやはや昆虫の世界は驚きで満ち満ちていますね。
「セミに寄生する」というのでまずびっくりですが、「木から糸を伝って降りてくる」ってまるで忍者ではありませんか!
この場面に遭遇した私はなんてラッキーなんでしょう。こんな不思議を知ることができて。
でもまだ謎が残っているんです。
木から糸を垂らして降りてくるのはわかるのですが、上の写真でもご覧いただいたように地上の草にも糸をかけてしっかり綱を張っているんです。
一旦、下まで降りて草に糸をかけて、また上に登っていく?
下に降りたらさっさと繭を作る場所を見つけてその作業に取りかかればいいのに。
また上に上がって何をしようというのでしょう?
う〜ん、わかりませぬ。
さてその翌朝、もしかして繭が見られるのではないかと、付近を探してみたのですが、影も形も痕跡はいっさいありませんでした。幻だったかのようです。
今日からまた山に出かけます。5日間ほどブログはお休みします。