メチル化に必要な栄養素およびメチル化を阻害するもの | 症例と解説 | かわせカイロプラクティック

症例と解説 | かわせカイロプラクティック

症状に対する私なりの考え方や症例の解説などを書いています。

メチル化に必要な事は、食事中のタンパク質から取り入れたメチオニンが、メチオニン→SAMe→SAH→ホモシステイン→メチオニンと代謝しながらサイクルしていく事です。このサイクルの事をメチル化サイクル(メチレーションサイクル)といいます。メチル化とは、このサイクルの途中にあるSAMeに含まれるメチル基を使った化学反応です。このサイクルが滞るとメチル化も停滞してしまいます。


このメチル化サイクルを順調に回転させるために必要な栄養素は以下の通りです。でも、これらのサプリメントを全部とればいいかというと違います。人によって必要なサプリメントは違ってきますので、私の場合はARテストでその人に必要なサプリメントを選んでいます。

  • メチオニン
  • 亜鉛
  • ビタミンB12またはメチルコバラミン
  • 食事性の葉酸またはメチルコバラミン
  • ベタイン(=トリメチルグリシン)
  • ビタミンB6


メチル化サイクルを阻害するものとして以下のようなものがあります。

  • 活性酸素→対策として心理療法、NAC、亜鉛、銅、マンガンなど
  • 炎症→対策としてクルクミン、腸粘膜の修復、オメガ3など
  • 鉛と水銀→対策として解毒が必要
  • アセトアルデヒド(飲酒やカンジダからの代謝物)→対策としてカンジダの除菌、飲酒の制限
  • メチオニンの取りすぎ(少なくても駄目ですが過剰な高タンパクも駄目です)


またメチオニンがSAMeに変化するためにはミトコンドリアが作り出すATPが必要なので、ミトコンドリアを活性化してATPを作り出すために以下のような栄養素が必要になります。ただし、ミトコンドリアを活性化させると活性酸素も増大するので先に活性酸素対策をしておく事が重要です。

  • ビタミンB郡
  • マグネシウム
  • コエンザイムQ10


メチル化に取り組む前に取り組むべき事は以下のような栄養療法の基本的な対策を先に完了しておくことです。これらの対策を先にしていないと、サプリが吸収されない、栄養素が細胞内に届かない、毒素や活性酸素などがメチル化サイクルを阻害するなどして効果がでません。

  • 水分と電解質の補給(細胞の健全な働きに必須です)
  • 酸化ストレス対策
  • 解毒
  • 細胞膜の修復
  • ミトコンドリアの活性化
  • リーキーガット、腸内細菌など腸内環境の改善
  • 消化を良くする(胃酸・消化酵素・胆汁などの分泌)


メチレーションをちょっとかじった程度の人がよくする間違いは、メチル化にいきなりアプローチする事です。例えば、MTHFRなどメチル化に関係の深い遺伝子に遺伝子多型があったら、すぐにメチル葉酸を摂取するなどです。そのようにすると失敗する可能性が高くなります。また栄養療法の基本的な事をするだけで遺伝子多型があったとしてもメチル化の問題がなくなる事もあります。