視床下部性無月経について | 症例と解説 | かわせカイロプラクティック

症例と解説 | かわせカイロプラクティック

症状に対する私なりの考え方や症例の解説などを書いています。

 

視床下部性無月経とは、視床下部が分泌する性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌不全によって起こる無月経です。視床下部性無月経の主な原因は、精神的ストレス,過度の体重減少、過度の運動で、若い女性の無月経の原因として最も多いと考えられています。

視床下部性無月経のうち、過度の体重減少によっておこる無月経の事を体重減少性無月経ともいいます。体重減少性無月経の場合、体重を増やしても回復するまでに2~3年くらいかかる事もあります。

視床下部性無月経の最大の原因はストレスと痩せすぎです。特に多いのが、ストレスで胃の機能が低下しているため、食べなければならないと思っているのに少食な人です。さらにそのストレスを自覚していない人も結構います。

では、なぜ自分のストレスに気づいていないのでしょう?

それは、ストレスとは思えない平凡な日常の小さな刺激やポジティブな体験でさえも、自律神経の調節不全を起こしてしまうからです。例えば、最近の嬉しかった事や楽しかった事を思い出すだけでも落ち着かない身体感覚が出てくる人は少なくありません。このような状態ですから、日常のとても小さな事をテーマにしたトラウマセラピーをたくさん繰り返す必要があります。

それから痩せすぎの原因には痩せ願望が関係している事が多いです。ですから、体脂肪率22%とBMI22を目指す事を私が提案したとしても、「太りたくない」「もっと脚を細くしたい」と思う人がたくさんいます。「体重を増やそう!」という気持ちが全くない場合は体重減少性無月経の改善はとても難しくなります。そのような方が私の所に来ていただいてもお役に立てないでしょう。

 


しかし、「体重を増やしたくない」という気持ちがあったとしても、「体重を増やそう!」という気持ちもあれば、その2つの相反する気持ち(葛藤)に対する心理療法を行う事によって改善の見込みがあります。その場合、「体重を増やそう!」という気持ち(副人格)を肯定して、「体重を増やしたくない」という気持ちを否定するのではなく、「体重を増やしたくない」という気持ちも認め理解し、その肯定的な役割に気づく必要があります。例えば、愛されたい・認められたいという普段は隠れている気持ちが表面化すると辛くなるので、それらが表面化しないように蓋をしている肯定的役割があるかもしれません。