みなさん、こんにちは。
「睡眠時無呼吸症候群の治療」
についてお伝えしています。
・睡眠衛生指導
・生活習慣の修正
・CPAP治療
・OA治療
・耳鼻咽喉科的手術
・顎矯正手術
・肥満手術
・舌下神経電気刺激療法
今回からいよいよ
睡眠時無呼吸症候群の治療の主役である「CPAP治療」をお伝えします。
今回は、
CPAP治療とはどんなものか、導入編です。
CPAPとはContinuous Positive Airway Pressureの略です。
持続的に気道に陽圧をかけるという意味で、日本語では持続陽圧呼吸療法と呼ばれます。
下図のように、
鼻あるいは鼻と口にマスクを装着して陽圧を持続的にかけることで、軟口蓋や舌を押し上げて気道を広げ、無呼吸の発生を防ぎます。
マスクを装着するだけなので、体に侵襲(負担)なく気軽にできる治療です。
ただある一定の重症度がある患者しか保険診療の適応とはなりません。つまり、軽症の患者さんではできない治療になっています。(簡易検査や精密検査の結果、無呼吸低呼吸指数(AHI:1時間あたりに生じた無呼吸低呼吸の回数)が一定の数値を超えた場合のみ適応となります。)
重症度がかなり高い人であっても、装着して寝たその晩から、「いびき」や「無呼吸」に対して効果を発揮します。
患者さんによっては「こんなに気持ちよく眠れたのはいつ以来だろうか。」と感激してくれることもあります。
ただこの治療は根本治療ではありません。この機械を装着して寝れば無呼吸を減らすことができるというだけのものです。
費用は3割負担の方でおおよそ月に5,000円になります。(病院から機器を貸し出す形です。)
それにCPAP治療にはいろいろとトラブルもあります。
例えば・・・
・マスクからの風の刺激による鼻の症状
・のどや口の乾燥
・マスクや風が気になって眠れない
・マスクから空気が多く漏れてしまう
・マスクの装着部分の皮膚症状
・ホース内に結露
・胃内に空気が入ってしまう
などなどです。
はじめは毎月受診してもらい、担当医と相談しながら慣れていきます。
CPAP治療している間に根本的な解決を目指したいのですが、睡眠時無呼吸症候群はなかなか根本解決が難しいです。肥満の影響が大きければ、体重減量で無呼吸の改善が得られる可能性があり、CPAP治療を卒業できるかもしれません。明らかに扁桃腺が大きいなどのどを狭くしているものがあれば切除することで卒業できるかもしれません。このようになにか変わらなければ無呼吸の改善は難しく、結局は長く付き合っていくことになる場合がほとんどです。
次回は「CPAP治療の効果」についてお伝えします。