みなさん、こんにちは。

 

 

「高血圧の方の生活習慣修正」のポイント

①減塩のための工夫とは? 

~塩分を控えるための12か条~

②減塩以外に食事で気をつけることは?

③適切な体重とは? BMIって何?

④生活習慣病発症予防のために推奨される身体活動量・運動量とは?

⑤お酒の適量とは?

 

 

今回はポイント③

 

適切な体重とは? BMIって何?

 

をみていきます。

 

BMIという言葉があります。

身長と体重から計算できる肥満度をあらわす指数です。

Body Mass Indexの略語です。

 

計算の仕方ですが、

体重kg÷身長m÷身長mで計算します。

単位に注意です。

例えば身長170cm、体重65kgの人であれば、

65÷1.7÷1.7=22.49となります。

これがBMI値です。

みなさんも自分の身長と体重で計算してみましょう。

 

適正体重はBMI22程度とされ、

これは標準体重とも言われています。

 

30~59歳の男女において、

「肺疾患、心疾患、上部消化管疾患、高血圧、腎疾患、肝疾患、脂質異常症、高尿酸血症、糖尿病、貧血の10項目」を確認したところ、BMI22前後の体重の人において、異常を認めた項目数が最も少なかったということで、

このBMI22が統計的に最も病気になりにくい体重とされることになりました。

 

なおその後の研究で、

40~59歳の日本人男女およそ2万人ずつを10年間追跡し、BMIと総死亡率との関係を調べたところ、

BMIが23~24.9の人たちが最も死亡率が低かったと報告が出ています。

 

一般的に、BMI25以上は肥満、18.5未満は低体重と分類されます。

 

肥満は高血圧のみならず、糖・脂質・尿酸代謝異常、冠動脈疾患、脳梗塞、脂肪肝・肝臓癌、月経異常や妊娠合併症、睡眠時無呼吸症候群や整形外科疾患、腎臓病など様々な疾患との関連が言われているため、適正な体重を維持することが勧められているのです。

 

「高血圧治療ガイドライン2019」における「生活習慣の修正」のなかでは

適正体重の維持として、

BMI25未満が設定されています。

 

これはBMI20未満を1としたとき、

BMI25.0~29.9において高血圧発症リスクが1.5~2.5倍に上昇する

とされているからです。

 

減量による降圧効果も言われています。

 

「体重1.0kgの減少につき、

収縮期血圧で約1.1mmHg、拡張期血圧で約0.9mmHgの降圧効果がある。」

と推定されています。

 

実際、私も10kgを超える減量に成功して、高血圧になりかかっていた血圧が現在では全くの正常に落ち着きました。

 

ただ、適正な体重というのは人によってやはり異なってきます。

 

男性と女性では異なりますし、

体脂肪のせいではなく、筋肉隆々であるがためにBMI≧25の人もいると思います。

 

また、やせていればいいというわけでもありません。高齢者において、良好な栄養状態や筋肉量は予後に良い影響があるとされ、そのため高齢者のやせはあまり良いこととはされていません

 

実際、死亡率が最も低くなるBMIは、男性では40~59歳で23台、女性では21台であるのに対し、70歳代になると男性では25台、女性では24台と、「BMI22」を超えてきます。

 

「禁煙のすすめ」でも少しご紹介したCOPDの患者さんにおいても、やせは予後に負の影響があるとされています。

 

今回のまとめ

 

BMI22(~24台)程度を体重の目安として、

加えて各個人の血圧や血液データ(脂質、血糖)、抱えている疾患により、

適正な体重を把握、維持しましょう。