11クール目③ 父痺れ 私と嫁は小旅行。自信のないおばあさんが焼いたステーキを食べる | いきなりステージ4の胃がん!な父を見守るブログ

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北国のあるところに婿入りしているマスオです。
数年前に妻が卵巣ガンになったのを機にアーリーリタイヤ、妻と妻の母と共にのんびり暮らしていたところ、実家の父にステージ4の胃がんが!
我が家はどうなるのでしょう…

父の化学療法11クール目
TS-1単剤投薬中です。

腰痛のため鍼に通ったり、
ゴルフコースをフルで回ったり、
蕎麦を食べに出向いたり、
まあまあ元気そうです。

ラインで具合を聞いたら

痺れ以外は大丈夫だよ!
膝から下が痺れて震えるようになって来た!


とのこと。
毎度だけど父、
大丈夫だよ!って言いつつ
そこまで大丈夫でも無い気が…

オキサリプラチン抜いても
痺れは相変わらずのよう。
転倒や事故に遭わんと良いです。


ところで、
ちょっと急だったけど、
嫁と小旅行に行ってきました。

風邪も治ったし、
台風も来てないし、
よし、行ってしまえー!
ってことで、
嫁の生まれ育った地へ
一泊二日の2人旅。

ホテルにチェックインした後、
夜は嫁は幼馴染と再会!

私は1人で日帰り温泉に入り、
温泉街にある
肉料理のお店に行ったのですが…


その料理店は、
3.40年前に嫁と亡き嫁父で
たまに行ってたという
思い出の店。

少々高級だけど
美味い肉が食べられるので、
たいそう流行っていたとか。

行く前に調べてみたのですが
大昔のグルメブログくらいしか
見つかりません。

最新情報も2年前のツイッターの呟き。

ん?現在やっているのか?
前日に電話をしてみました。

おばあさんが出て
「夜6時半から10時くらいまで開けてます。ガラガラなので予約はなくても大丈夫」

…ガラガラ?

一抹の不安を覚えましたが
とりあえず行ってみました。

扉を開けると中は無人。
しばらくして奥から
80歳は超えたであろう
小さなおばあさんが
ゆっくり出てきました。

「足が痛いから断ろうかと思ったけど電話番号も分からないし、仕方ないから…待ってました」

いきなり、なんか来店してしまってすんませんな雰囲気。

カウンター席に座ると、
開けっ放しの隣のドアから
おばあさんの生活が空間まる見え。
テーブルの上に食べかけの葡萄、
床にお皿に入ったネコのエサ、
洗濯物が畳んで置いてあったり。

「おじいさんが病気で2年前から療養施設に入ってしまって。焼く人が違うとダメみたい…お客さんが全然来なくなりました。先日なんか一口食べて帰られた方もいてねえ…」

とりあえずハードル下げまくってくるおばあさん。


メニューは三品のみ。
ステーキ、しゃぶしゃぶ、すき焼き

どれなら自信があるのですか?と聞いたら
「鍋」
とのこと。

しかしあまり鍋気分じゃなかったし
逆に気になりすぎたステーキを注文。

用意されていた枝豆をつまみながら
促されたので脇のテレビをつけ、
お茶を飲んで待っていると

サラダ(のちに底からコバエ1匹発見)
漬物
などが出てきました。

その間、テキパキ動きながら
「まあ素人がやってると思って許して下さい」
とにかくハードルを下げまくってきます。

おばあさんは奥に引っ込んで
トントン(玉ねぎ切ってる?)
ジュージュー(肉焼いてる?)
と、音がしてます。

しばらくして
「昨日はご飯全部ダメにしました。今日は炊きましたから。新米ですよ」
(昨日はお客さんゼロだったのね…)
ライスが来ました。

さらにしばらくして…

ステーキ登場! 

熱々鉄板の上に厚切り玉ねぎ、
その上に肉、
肉の上に輪切りのレモンが乗ってます。

で、カウンター越しにおばあさん、
ステーキをじーーと見ながら

「あーー。また焼きすぎたかしら」

コゲてはいなかったです。
レア好きな私ですが、
でもウェルダンだと思えば
なかなか美味しいかも。

そして
「肉は茨城産ですよ」
と、生肉の塊を見せてくれました。

おお!
サシの入った良い肉!
あー勿体ない!
ささっと焼いて塩胡椒だけで
めちゃ美味いやつ!笑

普段見ないテレビを見ながら
全部完食して、
その間もおばあさんはテキパキと片付けたり
「毎日ゲンゴロウが家に入ってくるけど殺すのも可哀想だから外に出す。けど毎日いる」
みたいな会話をして、

お会計、五千円。

後から聞いたけど
嫁曰く昔はもっと高かったので
だいぶ値下げしている、と。

「40年前に作ったマッチがまた余ってるから」
と、タバコ吸わないけどマッチを貰い、

そして帰り際、
嫁に現在のおばあさんを見せたかったので、
「一緒に写真を撮って貰えますか?」
とお願いしたら
キッパリ断られました笑


五千円分くらい面白かったです。
良い思い出になりました。