お早うございます

 

毎週月曜夜7時からBS日テレで放送され、コーラスグループ・フォレスタさんが熱唱するBS日本「こころの歌」、この手の記事は気付いたら以下

 

以来1年近く書いていませんでした。それは、歌い継ぎなる番組の機能を長期的に維持することが軽んじられた感を長く拭えずいることが手伝っているのは間違いありません。

 

そんな中で、先週の回と今宵の回は、一期一会ならぬ「一曲一会」と銘打って、これまでの収録の中で演者が印象に残ったものを選ぶというもので、何か違う色が出てくるのは間違いないものでした。何故1週間も経ってから今更こんなことを書くかは、例の如く私のバタつきが収まらないというのもありますが、それ以上に気になった強い要素は最後に回します。

 

一方で、番組を長く観られている方なら感じることとして、20年も番組が続く中で演者も入れ替わりがあり、また、軍歌・戦時歌謡が扱われることが減っている中で現収録メンバーに選曲を委ねると、同じことをかつて収録メンバーで実施した場合と範囲が違ってくるであろうことは一つあるでしょう。

 

そんなことを思いつつ先週の回を視ていると、今井俊輔さんが「戦友」を取り上げたことが印象的でした。長い曲の中での場面の推移が現在に示唆を与えるという趣旨のお話でしたが、その「戦友」がなかなか放映されなくなっている中で取り上げるのは、長く番組に関わっている方ならではでしょう。上記の古関裕而特集を取り上げた回の記事でも書いたことですが、定まった音楽理論に立脚して歌い上げるフォレスタさんの歌唱によって歌のこころが伝わり、戦前・戦中曲への変な偏見が払拭されてフォレスタ・ファンになった13年前のことを思い出しました。

 

現在の日本はあの戦争とはどうしても切り離せない部分が多分にありますが、それ故なのか、番組が変わっていく中でも時に放映される曲の一つが「さとうきび畑のうた」、これは新参の三宅里菜さんが、今井さんのお話ともある程度通じる趣旨で取り上げられましたが、改めて聴くと、布陣が現収録女声陣(厳密には吉田静さんを除く)ならではかとも思いました。

 

この曲については以下の記事がある訳ですが、

 

個人的には終盤の、

 

お父さんて呼んでみたい お父さんどこにいるの …

 

の部分、小笠原優子さん独特の鋭さを持つ高音の後で、歌の中で時に繰り返される

 

ざわわざわわざわわ けれどさとうきび畑は …

 

の部分を低音の財木麗子さんが何か抑えるように歌の締めに繋ぐところは、6年程前に始まった女声陣入れ替え後ならではのコントラストで、歌詞の中での少女の心情と絶えずさとうきび畑を通り抜ける風の変わりようの対比の表れを思いました。

 

このように、番組自体は演者の選曲ということで、珍しくもスタジオトークからの導入が馴染む形ですが、まだ一押しの曲紹介登壇していないメンバーに古参がやや多く残っています。絶妙な布陣と思いますが、きっとあの戦争とは違う要素で、古きよきものを伝える何かが盛り込まれることに期待をもつものです。

 

そんな中で次回予告で小笠原さんの語りの背景として切り取られたのは「憧れのハワイ航路」や「いい日旅立ち」、それも十年以上前の男声陣の白い上着姿やあの矢野聡子さんのお姿がある映像でした。その放映は今宵です。