2/13プレバト(俳句)。題「デパ地下」。

(査定ランキング)南果歩、松下由樹、大久保佳代子、谷まりあ、田辺智加(ぼる塾。右側)
(昇格試験)名人9段・森口瑤子
(句集完成に向けて)永世名人・村上健志(フルーツポンチ)

 自称“食いしん坊”たちが大集合。おいしいものがそろう「デパ地下」をテーマに詠む。
 南果歩、松下由樹、大久保佳代子は前回<凡人>で、リベンジに燃える。早稲田大学出身知性派・谷まりあはプレバト初挑戦。過去5回中 <才能アリ>1位を3度獲得している田辺智加。

 名人10段を目前に足踏み状態の9段・森口瑤子、永世名人・村上健志は、句集掲載を勝ち取れるか。

(以下、放送順。各自が持ち寄ったデパ地下の手土産も紹介します)

◎凡人4位、南果歩、40点
★春遠し義理チョコ買わずぼっち飯

    あら〜、随分寂しい句ですねぇ。義理チョコも買わず自分だけのぼっち飯を買う、と。それに駄目押しのごとく「春遠し」という季語。うん??、それに「春遠し」は冬では?しかし「義理チョコ」を買うのは2月14日直前だから春なのでは?あるいは「春遠し」は自分の春はまだ遠い、という比喩表現か?

夏井先生《言いたいことを無理矢理詰め込んだ感がする。「義理チョコ買わず」か「ぼっち飯買う」かどちらかに絞った方がいいのではなかろうか》添削は ↓
▲義理チョコは買わない春はまだ遠い

◎凡人2位、大久保佳代子、50点
★伊予柑のゼリー見惚れし母傘寿

 「伊予柑」は春の季語だが、加工品である「伊予柑のゼリー」は春の季語になり得るか?また「ゼリー」は歳時記では夏の季語。句は、伊予柑のゼリーが、800円の高級品であまりにも素晴らしく、80歳のお母さんがもったいなくて眺めるだけでなかなか食べようとしない、というような意味のようでした。

夏井先生の添削は ↓ でした。
▲伊予柑のゼリーに見惚れゐて母は

◎凡人3位、松下由樹、45点

★長蛇列バレンタインデー無縁なる

 バレンタインデーのチョコを買う長蛇の列。自分には「無縁なる」もの、という意味か? 
   作者によれば、そういう売り場で自分はチョコではなく別の好きな物を買おうとしたのだが、並んで下さいと言われてしまった。自分はバレンタインデーと関係ないのになあ、ということのようでした。

夏井先生《散文の一部一部をちぎって作ったという印象》添削は《語順を変えれば意味はすっきるする》として ↓
▲無縁なりバレンタインデーの長蛇

◎才能なし最下位、田辺智加(ぼる塾)、25点

★てんてこ舞いピンクに染める新入社員


 バレンタインデーでの、まだ慣れない忙しさに頬をピンクにしている新入社員のことを詠まれているようですね(作者によれば「頬を桜餅みたいな色にして」)。「てんてこ舞いピンクに染まる新入社員」ですかね。 


夏井先生の添削は ↓ 

▲売り出しやてんてこ舞いの新社員 

▲棚卸してんてこ舞いの新社員 


 ◎才能ある1位、谷まりあ、72点

★五限後のデパ地下うららルビーチョコ 

夏井先生《いろんな言葉の力(物の名前の力など)を上手く活用している。添削は要らない》 

◎(昇格試験)名人9段・森口瑤子 
★行く春や閉店セールの百貨店

 良く出来ていますね。句意も明瞭。 

 夏井先生の評価のポイント《上五「行く春」と取り合わせた効果の是非》 

 査定は《現状維持》《季語が近い》 

夏井先生《「行く春」という季語には、どこか寂しいというニュアンスがもう既に入っている。ここが問題であった。また「行く春」には映像がないので、足元の映像(例えば「パンジー」など)か頭上の映像を考えてみてはどうだろうか》として次のように添削 ↓ 
▲パンジーや閉店セールの百貨店
▲鳥雲に閉店セールの百貨店 

◎(句集完成へあと12句)永世名人・村上健志 
★長い名前のサラダを買うや春動く 
作者《上五を「長い名の」としないで、敢えて「長い名前の」と字余りにしたのは、長い名前の物を買うとなんか贅沢をしている感じがするので》 

夏井先生の査定《掲載決定》《デパ地下ならではの、オシャレな雰囲気が出ている。この”ポンチ節”を待っていた》 

◎次回題「におい」