俳人協会「2023年俳句カレンダー」を入手しました。

◎11月

(短冊より)

★翁忌の木杓に掬ふ茶粥かな 井上弘美

 ※「翁忌」=松尾芭蕉の忌日、陰暦10月12日(新暦11/5)。芭蕉忌、桃青忌、時雨忌、おきなの日とも。


(掲句より)

★七百年味噌を造りて文化の日 和出 昇


★立冬や石まで眠る恐山 畑中とほる


★文鎮は海の石なり神渡 岩橋玲子 


★抜け道の出店賑はふ酉の市 倉科紫光 


★葉がくれに白を極めて茶の咲けり 寺田記代 


★仏像に仏師のこころ花柊 鈴木貞雄 


★小さき手の小さき拍手七五三 大文字孝一


★洗礼名キャスリン大根を洗ひけり 春川暖慕


★探る手を肩まで沈め蓮根掘 阿部伶児


★鷹匠の鷹に劣らぬ眼の光 久留米脩二


★校庭の大きな小春日和かな 吉野世津子


★黒潮の沖より晴れて帰り花 岸原清行


★木の葉降る水はきりなく輪をひらき 檜山哲彦


★胸中にまだ熱きもの木の葉髪 黒部祐子


★木枯や誰も無口な喫煙所 西澤照雄


★城石のやうに積む薪冬構 村上徳男


★玉砂利に神の声聞く神迎 村上和義