佐賀県の九州電力玄海原子力発電所。半径30kmの円内に我が故郷 福岡県の西部が含まれます。そして福岡市の繁華街まで約50kmの距離です。

地震が少ないと言われる北部九州、300年に一度という2005年の「福岡県西方沖地震」がマグニチュード7。

東日本大震災のマグニチュード9とは地震エネルギーに換算すれば1000倍の違いとか。ならば安全なのでしょうか?

当地で想定される津波は2m。
しかし再稼働申請に当たり、満潮時3.9mまで厳しく想定を改めたとのこと。そして玄海原発は海抜11mに立地。従って津波対策は万全ということでしょうか?

さらに再稼働を目指して、東日本大震災以降に相当額の投資が行われています。
まだ現在進行形の建築物も見られます。再稼働を目指すが故に、どれだけの費用をかけるのでしょうか。
さらに新基準の適合性検査へ向け総勢200名の専任職員が対応(うち140名が東京拠点)しているとのこと。
そして当地には、現在もなお、協力会社を合わせれば約3000名が働いておられます。原子力発電は決して安いエネルギーではあり得ません。

さらに、今後の再稼働については、避難計画なども重要な課題になります。先日、旅行社がバスの手配を忘れ、遠足が中止になった報道がありました。
旅行社の社員が生徒を装い、遠足中止を工作したことで大きく報道されましたが、背景にはバスの不足という問題もあったようです。
果たして、緊急時に避難用バスが十分に、そして速やかに確保されるのでしょうか?
周辺自治体だけに任せておけば良い問題なのでしょうか。

我が党は「脱原発依存、2030年代のフェードアウト」を目指し、現在ロードマップを検討中です。雇用の確保や国際競争力など、国益を考えれば、即時原発ゼロは極めて難しい命題です。
代替エネルギーを如何に確保するか。安価で安定供給できるエネルギー源を開発・確保しなければなりません。

一方で、未来への責任として、核燃料廃棄物の処理方法など、いわゆるトイレの問題も検討しなければなりません。現時点で、我が国は再処理して地下埋設することが決まっています。
しかし、再処理に伴う危険性や、地震が多く、豊富な地下水を有する我が国における地下埋設の是非など、多くの懸念事項があります。

「原発再稼働」「原発ゼロ」などの持論を語るのは容易です。「誰かが考えてくれること」かもしれません。しかし、方向性を決断するのが政治家の責任だと思います。
私は、昨年の北欧視察に始まり、青森県むつ市・六ケ所村ほか、九州大学水素エネルギー研究所、大分県八丁原地熱発電所、そして今回と見識を深めることができました。

さらに精進して、自分なりの考えをまとめたいと思います。

最後に往復の道中で飼育されている牛、自然の雑木林などの風景が目に飛び込んできました。
この牛を野に放って餓死させてはならない。この雑木林を除染するには莫大な労力が必要である。

そんな思いが込み上げて涙が出そうになりました。


福島も、あの日までは、こんな光景だったはず…
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