今日は高校入試2019の第3回目、闇深き私立入試の確約制度について紹介しますウシシ




埼玉県私立入試の確約とは、端的に言うと、個別相談会時に通知表、北辰テストの結果を提出し、合格を約束することです。

公立高校はこの手段は使えませんが、私立高校の併願に合格したら、公立高校に落ちても路頭に迷いませんから、そう考えると夢のようなシステムですよね。

もちろん私立入試の時によほどヘマしたら不合格になることもまれにありますが、確約が取れた場合は確実に合格します。

さて、どのようにしたら確約が取れるのでしょうか??
少し見てみましょう。

この記事を読む前に、北辰テストについてあまり知らない方(中学1年生、2年生)は以下の記事を見て、北辰テストとは何なのかをチェックしてくださいねウインク

《参考リンク》



どうしたら確約って取れるの??

確約を取る際に必要なのは、通知表(コピー可)と、北辰テストの結果(2回分)です!!

通知表は2月期か始まる頃に回収されてしまうので、必ずコピーを取ってください。

北辰テストの結果はほとんどの高校が9月分(一部は7月分)からの2回分を持っていく必要がありますが、これは結果の良い2回分で構いません。

ただ、トラブル回避のため、すべて持っていくのも良いかもしれませんね。

これを持って私立高校の個別相談会に行き、個別相談時にその2つを提出して、確約を取ります。

名前は控えていますので、後は普通に入試を受ければ(その時にもらった紙を願書に同封する場合もあり)基本的には合格です。

しかし、最近の私立高校では確約と言う言葉をあまり使いません。

そのため、確約と言う言葉を出すのは禁物で、確約になりそうな雰囲気を察知して、例えば「いけますか」みたいなことを聞いて、良い返事がもらえたら多分確約をいただけたものだと考えていいです。

相談する先生側から「安心して受験してください」などと言われた場合も確約と見なして問題ありません。

確約を取ったからと言って、浮かれていると失敗する可能性はありますので、多少は受験勉強をしてくださいね。

また、個別相談で確約をもらうには各高校、各コースの基準に達していなければいけません。

確約の基準はが配布する極秘資料に掲載されていたり、インターネットに掲載されていたり、高校によっては学校説明会で聞くこともできます。

確約の基準となるものは、通知表の数字北辰テストの偏差値が多いです。

例えば北辰テストの偏差値の2回平均がいくらで、通知表の9教科または5教科平均はいくつで、、など、学校に応じて基準は様々です。

また、偏差値をスタンダードスコアという言葉で言い換えていることもありますが、それは普通に偏差値に読み替えて差し支えありません。

多くの高校で外部の検定試験(英検や漢検の資格など)や部長生徒会経験などで基準を下げてくれる場合がありますので、詳しくは各高校に確認してみてくださいねウインク

また、ほとんどの学校で同じコースでも単願の方が併願よりも基準を下げています。

合格したら確実に入学してくれますからね。

通知表の数字にどこかしら1がついていた場合、確約は確実に取れませんバツレッド

普段からそんな成績を取る人はそうそういないとは思いますが、普段の勉強からしっかりとするのが良いですね照れ

確約は、基準さえ到達していれば何校でも取ることができ、取って受験しないなんてことも可能です。

日程をあわせて、できる限りたくさんの高校に相談しに行けると良いですね。


…このような感じで確約を取るのですが、次にどうしてこのようなシステムになってしまったのか、見てみましょうニコニコ


どうしてこんな仕組みになっちゃったの??

今もそうなんですが、もともと埼玉県は公立志望の人が多い県でした。

これは残念なことに私立高校のネームバリューが無かったためでもあります。

そのため、従来の方式では生徒を集めることができなかった訳なのですびっくり

ですから、ある高校が合格を約束するために北辰テストの偏差値を利用し始めました。

これは1回だけで出題のクセが強い私立入試よりも公立入試までに何回もある北辰テストで継続して結果を取ってくれた方が大学合格の実績を残しやすいからですね。

そのシステムが人気であったため、他の高校も使わざるを得なくなり、今に至ります。

もともと人気である早大本庄慶応志木等は確約と言うのはほとんど無いのもその理由があるのですね。

昔は北辰テストと言えば中学校の校内模試で、この結果をもとに中学校では進路指導を行って来ました。

中学校で起こっているこの確約問題を重く見た教育委員会は学校から北辰テストを追放すると言う、今となっては大失態を犯したのが約30年前です。

当然、北辰テストを利用して確約を取る方式が学校側にも、受験者側にもメリットがあるので、教育委員会が画策していたとみられる確約の撤廃は見られず、ただ北辰テストの受験会場が私立高校に移動しただけとなってしまいました。

そして最近、前期後期に分けられていた埼玉県公立入試が1回のみとなってしまったため、さらに確約の重要度は増していると言えます。


それではなぜ、このような確約制度が今も残っているのでしょうか??

確約制度のメリットデメリットを見てみましょうウシシ

確約のメリット、デメリットは??

最初はメリットを紹介します。

まずは、絶対に合格できることです。

先ほども書いた通り、確約をもらえば、絶対に合格できます。

もしも併願にした場合、公立高校を受検するでしょうから、いわゆる滑り止めとなりますよね。

それが公立入試の3ヶ月前に取れるのですから言うことはありません。

私立高校かあるから、高望みもできますねイヒ

次に、学校側が優秀な人材を獲得することができるからです。

これも先ほど書いたように、継続して高成績を取ってくれた方が大学入試においても成績が良い訳であって、単願の場合、それを早目から確保できるとなると美味しい話です。

この2つの利害が一致したからこそ、この確約制度が生まれたのです。

では、逆にデメリットも紹介しましょう。

まず、かなり大きなデメリットとして、学校が進路指導できないことにあります。

これは正直言って、確約が悪いのでは無く、北辰テストを追放させるなんてことをした方が悪いと思います。

以前は北辰テストを学校でやって、学校が情報を得て進路指導ができたものの、今は学校は自発的に北辰テストの結果が手に入らないため、私立入試の適切な進路指導ができなくなっているのです。

また、北辰テストを行っているのは北辰図書という民間企業であるため、教員が安易に北辰テストを受けろなんて言えないのも大きな問題となっています。

北辰テストの結果は先ほど書いた通り私立入試の合否を左右する重要なものです。

それが使えないとなると、学校の進路指導が適当になるのは当然であり、クレームなんて入ったらたまったもんじゃありませんね。

埼玉県の中学校の進路指導を司っているのが学習塾だなんて、正直なところみっともないものです。

次に、費用の問題があります。

北辰テストを確約を取れる2回分を受けるのに8600円の費用がかかり、 私立入試でも20000円以上がかかります。

もちろん確約を取ったとしても私立一校だけでは心細いので数校受けるとなると5万はゆうに超えていきます。

更に、北辰テストを毎回受けたり、更に他校を受験する場合、それだけで10万もの費用が必要になり、負担は更に重くのしかかります。

そのため、他県と比べると高校入試にかける費用の平均は高い傾向にあるかもしれませんね。


以上、埼玉県私立入試の確約事情について解説をして参りましたニコ

最近、この確約事情、メディア等にも取り上げられ、私は分かりませんが、省庁が口出ししたこともあり、安易に確約と言う言葉を使わなくなりました。

しかし、これが確約制度廃止に向かなかったのは、確約のメリットが相当デカイからでありましょうか。

私も、この確約制度にお世話になり、システムとしてはかなり優秀なものだと実感しましたゲラゲラ

ただ、本来この確約制度は一部の受験生が非常に不利になるおかしいものであり、禁止すべきことではないのかな、と思います。

しかし、大きいメリットのもとで、確約はこれからも続いていくでしょうから、受験生も、受験生で無くても、知っておくべき進路情報なのではないのでしょうかねニコニコ

次回は内容を大きく変えて、公立高校を中心とした学科について紹介しようかと思います。お楽しみにウインク

《参考リンク (次回記事)》