○旧大路村・おうじむら (氷上郡春日町・現丹波市)  ・・・春日町誌 

・氷上郡の最東部にある集落で、東西に長く南北に狭い。ほとんどを山に囲まれ、南に三尾山脈、北に妙高山が迫り、両谷を野瀬谷三井庄谷という。西方に竹田川の上流、大路川流域にわずかな平地が国領の田園地帯に連っている。よってこの地域は農耕には適せず、林業、木竹工業が盛んに行われ京阪地方に出荷した。

 ・古来春日部庄の一部で“王子谷“が、次第に「大路」と転化した。南北朝以来、赤松氏の領地として、また丹波国安国寺領として支配。戦国時代末期には荻野、赤井諸氏の勢力圏内にあったが、波多野秀治の弟である二階堂秀香が、大路城を築き勢力を張った。しかし明智軍による黒井落城と共に滅亡した。徳川時代には川勝氏の領土となる。

 

 ・明治22 年に和田貝、広瀬、松森、上三井庄、下三井庄、中山及び鹿場の7カ村を合せて、大路村とした。さらに、和田貝を栢野、野瀬谷とに分けた。  (おわり)