○ 文保寺  (味間南/天台宗) 

 縁起によると文保寺の前身は聖備山長流寺と称し、大化元年(645)法道仙人により開基され、本尊に自作の聖観世音菩薩を安置したとされている。

最盛期堂舎21坊を数えたと伝えられる。  往古の堂舎の名称は、自光院・龍花院・真如院・観明院・源智坊・行定坊・一乗院・吉祥坊・西教坊・常光坊・中蔵坊・教蔵坊・善光坊・宝住坊・本性坊・本仙坊・泉蔵坊・山本坊・極楽坊・持正坊・理教坊の5院16坊で、元禄6年(1693)の寺社改帳に記されている。

  天暦の乱に堂舎ことごとく焼失し、荒廃の極みに達した。正和年間(1312〜1317)花園天皇の御代に慈覚大師作という千手観世音菩薩を安置し再興された。   (おわり)