○聖福寺佛殿記 しょうふくじぶつでんき  福岡市博多   ・・・・・・群書解題 

作者は河南陸仁。陸仁は南北朝前半期の臨済宗の僧。その伝は不詳である。南北朝の初期に中国に留学し、かの地において福寺住持の無隠と親交があった。

 博多・聖福寺は、栄西が再度の宋留学から帰国してまもなく、建久6年(1195)創建した日本で最も古い禅刹のーつである。その後南北朝動乱で荒廃した社寺再建工事の終了した翌年、正平23年(1368)に、住持無隠の要請をうけその再興の経緯を執筆したものである。  (おわり)