* 時計修理依頼のお電話につきまして→ブログを見て修理を依頼される方へ当店の対応

 

シチズン KARAKURI 35年前の「からくり時計」です、当店のYoutubeを観て修理を希望され来店くださいました、症状は時計は動いているが肝心の「からくり動作」が動かず、時計店に2度修理に持って行ったが壊されて修理不能で帰ってきたとの事...

【 当店でも古い時計は不可抗力(部品を外す際など)でプラスチックの劣化など破損する事があるのです、そのため部品の持ち合わせがない時計は持ち込み時より状態が悪くなる恐れがあり、お預かり出来ず修理不可が前提となります 】

オーナーさんの記念の時計だそうで木枠の初期タイプのKARAKURIでしょうか? 時計屋さんで内部を触っているので外内装の状態を先に点検して記録していきます

小秒針が外れてガラス内を移動している、ガラス内は汚れも少なくキレイな状態

からくり人形のゴンドラのメッキが剥げている、矢印部分にはなぜかチューブラベルが下がってケースとゴンドラの間に挟まっている(嫌な予感です)

時計屋さんが分解しようとしてネジを緩めたものの元の位置にチューブラベルを戻さぬまま違う位置に固定していた為あのような状態になったのです、右側の人形の腕の位置が下がっている(こちらも嫌な予感しかない)

チューブラベルを所定の位置に戻し点検する、右側人形の腕に無理な力が加わったのか腕の位置が下がっている(破損しているのか?どうかは分解してみないと....)

かなりの手間ですが人形を分解して点検の必要があり場合によっては交換が必要かも

ゴンドラが傾いてグラグラしているのは矢印の位置のネジが緩んでいるため

この時計は2種類の動作モードが選べます、そのモードスイッチ周りのメッキ剥げ

12時側のガラス枠の状態、メッキにサビが出ている(歴史を感じさせますね)

電池カバーは左右ともあり、内部を点検するため裏ふたを開けていきます

修理にチャレンジされたのでしょう配線がバラバラで収まり悪くなっている

裏蓋を閉める際に元のネジ穴位置を確認せずネジを閉めたため2つキズが入っている

何か変だなと少し観察して良く見るとスピーカーが無理に逆さまに取り付けてある

無理に逆さまに取り付けてあるのでスピーカーケーブルを挟み込んでいる

ネジを取り外して点検する、スピーカーのエッジまではダメージを受けていない

これが正解の元の状態です、前に向けて音を出し内部で反響し音を大きくしています

右側の電池ボックスは電池の液漏れで2個とも破損しており金具も折れている

電池の液漏れでプラスチックが浸食され弱くなり破壊を引き起こす

左側の電池ボックスも金具のサビと破損あり、こちらも交換が必要です(改造を伴う)

メイン基板を点検するとモードスイッチのコネクタに青サビが発生している、電池の液漏れが下のスイッチにかかり配線を伝って上がってきたのかも....? モードスイッチの状態を点検する必要ありです

こちらは電源コネクタですが電池ボックスの液漏れが重力に逆らい配線を伝って基板のコネクタを腐食させている、配線とコネクタの交換が必要です

 

【考察】

時計は順調に動いていたとの事で修理の順として、からくり人形の修理→人形の動作確認→からくり動作の点検→メイン基板の修理→電池ボックスの修理(改造)の予定です、先ずはバラック状態で修理が可能かどうかの「修理前の修理」を行ってみましょう