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古い時計は必ず油切れを起こしており、時間合わせの際などもゆっくり慎重に針を回して欲しいですね。時計の構造上 歯車に「力」が掛かる箇所があり、無理に回すと歯車が極端に摩耗したり削られて欠けたりする事があります。

ムーブメントのオーバーホールですが、すぐ上に「からくりユニット」があるためカバーにグリスの油分が付着し汚れが付きやすくベタ付きもあるので分解後洗浄します

外カバーを外し歯車を取り出して歯車軸受の点検中、軸受には油分が残っており安堵

カバー側の歯車軸受にも油分が十分にあり濡れている、軸の摩耗も無いようです

下の歯車を点検のため内カバーを外すと裏面に白い粉がたくさん! 嫌な予感です...

軸受部分にも油分が無く、周辺には薄っすらとキズも残っており油切れの状態

白い粉の正体はこちらのプラスチック歯車です、削られてしまって薄くなっています

左側が取り外した歯車で色も黄変し、もうすでに使用限界なのでこのまま使う事はしません、右側の歯車のギザギザがクッキリしている新しい歯車と交換します

ムーブメント内の接点の点検、サビと汚れで黒く変色しています(2本側)

同じく接点の点検、サビ汚れあり 角度ずれがあるようで片当たりしている(3本側)

研磨修理後:2本側 サビや汚れを落とし角度調整、以後のサビを防ぐためグリス塗布

研磨修理後:3本側 サビや汚れを落とし角度調整、以後のサビを防ぐためグリス塗布

この金具が接触する接点基板も清掃後に摩耗防止のためグリスを塗布しておきます

 

ムーブメントの洗浄と清掃を終えて組み直し、先日修理したメイン基板に接続し動作確認中です。その間に「からくり人形」の修理に取り掛かりましょう。