眼鏡店の素人化が進み、知識や資格を持たない者でも専門店で働ける時代です。
そもそも店舗に知識や技術を持つ先輩が居なければ継承されることはありません。
 
昨日にレンズの交換にいらしたお客様ですが、他店にてメガネを一式を購入したが見え具合が悪く使用していない、運転免許の更新があるのでレンズを入れ替えてほしいと。
 
私はそのメガネを見てすぐにレンズの歪みに気が付きましたが、写真で撮るのは難しいので偏光板を使った簡易歪計でこのメガネを撮影してみました こちらです。↓
イメージ 1
プラスチックのレンズを枠入れする際に どんなに注意しても歪は発生する のですが、持参されたメガネは中心付近に十字が発生するくらいの歪みが見て取れます。
凹レンズならばあり得ますが、画像のこれは凸レンズなのでね..........。
(通常でしたらフレームの角の部分の周りに小さなひずみが出る程度です)
 
技術やお客様を大切にする眼鏡店には必ず「レンズ歪み計」なる専用の機器があり、加工をしながら歪み具合を確認しつつメガネを製作したものです。
 
歪み計を持っていないお店の方へ教えましょう!お店のコンピューターの液晶ディスプレイと偏光板(偏光サングラス)を使って簡易的な「レンズ歪み計」ができます。
 
方法は簡単です、偏光サングラスを掛けて液晶ディスプレイとの間にメガネをかざすだけです。この画像もそのようにして撮影しました。(店頭にある物を利用するので簡単ですから加工時のレンズの歪み確認にぜひ行ってください)
 
液晶ディスプレイは構造上偏光板を使用しているので偏光板の間にメガネをかざすことにより市販の「レンズ歪み計」と同じ原理となり歪みが確認できるのです。
 
こちらの画像は上記と同じように撮影した私の使用しているフチなしメガネです↓
イメージ 2
超薄いレンズのため固定金具部分には少しの歪みが発生しておりますが、同じ様に撮影してもフチなしメガネはレンズの歪みが起きにくい事がわかります、レンズ面で度数を変化させている 遠近両用プラスチックレンズには余計な歪みが発生しないので光学的にも理想的なフレームだと私は思っています。
 
このように見え具合が悪い、眼が疲れる原因として、メガネの度数だけではなくレンズの歪みにも注意が必要だと思います。メガネを製作する立場の人間が十分に注意しメガネの製作を行わないといけません。
 
この「レンズの歪み」はガラスレンズでは発生しません。なので、ガラスレンズは透明度が高くクリアに見える、と言われる「ガラスレンズのファン」がおられるのです。
 
ご自身のメガネもこの方法を試してプラスチックレンズの歪みを確認してみてはいかがでしょう。 歪みが多く、気になるようであれば製作された眼鏡店で手直しも行って頂けると思います。(修正してもプラスチックレンズの歪みは絶対にゼロにはなりません)