子宮内膜症と性ステロイドについての講演会報告です。

京都府立医科大学大学院医学研究科 女性生涯医科学教授である森 泰輔先生の講演の続きです。 臨床の現場で薬物療法をどう使い分けるのかについてはプロゲスチン製剤 (ジエノゲスト) はエストロゲン E を含有しないのですが、LEP  には E 含有量に違いがあります。 合成エストロゲンであるエチニルエストラジオール EE には 0.035 mg (35 μg) vs 0.02 

 

mg (20 μg)  の用量の違いと休薬期間 4 日 vs 7 日の違いがあるのです。 EE 0.02 mg 含有ピルは 0.03~0.04 mg 含有に比べて肺梗塞・脳梗塞・心筋梗塞が少なく (Weill A et al BMJ 2016)、EE の含有量が少なくなると内服期間中の不正出血の頻度は高くなるという懸念があります。 一方、LEP とプロゲスチン製剤に含まれる progestin にもプロゲス

 

トーゲン作用スペクトルと含有量の違いがあります。 LEP では 1 ノルエチステロン 1 mg /日 (ルナベル)、2 ドロスピレノン 3 mg /日 (ヤーズフレックス)、3 レボノルゲストレル 0 09 mg /日 (ジェミーナ) があり、progestin には 1 ジドロゲステロン 5~20 mg /日、2 レボノルゲストレル 52 mg /子宮内システム、3 ジエノゲスト 1~2 mg /日があり

 

ます。 主なプロゲストーゲンの作用スペクトルを説明すると、ノルエチステロンは合成プロゲスチンの第一世代で構造がテストステロンに似ていることからアンドロゲン作用を示し、EE に変換されるため E 活性を持ちます。 レボノルゲストレルは第二世代の合成プロゲスチンで、プロゲステロン P 活性が強化され、E 活性を抑制した反面、アンドロゲン活性が高いのです。 この続きは次回をお楽しみに!