山崎豊子の絶筆です。約束の海

主人公の花巻朔太郎とその父で、真珠湾攻撃の末、米軍の捕虜一号となった旧帝国海軍少尉。

 

その二人が平和な海を見ながら、約束をする物語。

タブー視されている自衛隊を書いています。

 

戦争反対と訴えるだけで、平和は来ないことは多くのものが分かっているのに、憲法改定もできないこの日本。

どこかの党は、自衛隊を認めていないのに、いざとなったら戦ってください的なことを言っている。

ほんまばかげている。

 

山崎さんの言葉を借りれば、

戦争は絶対に反対ですが、だからといって、守るだけの力を持ってはいけない、という考えには同調できません。いろいろ勉強していくうちに、「戦争をしないための軍隊」、という存在を追求してみたくなりました。尖閣列島の話にせよ、すぐにこうだ、と一刀両断にできる問題ではありません。自衛隊は反対だ、とかイエスかノーかで単純に割り切れなくなった時代です。

 

と。

山崎さんほど、戦争反対のために小説を書かれてきた人はいない中、自衛隊の意義を考え直すタイミングにしたいと言われている。

 

・・・・・勉強してくうちに、・・・・とあるように、戦争について、また他国の姿勢について勉強すればするほど、

「戦争反対」の御念仏だけではあかんということは自明の理。

 

この小説が「完」を見なかったことは、本当に残念。

 

話は飛ぶが、花巻朔太郎と頼子の恋の行方も気になる。

勝手に自分で妄想しているが、すべての国会議員に読んでほしい一冊。

 

国会議員よ、しっかり勉強して国を、国民を、領土を守ってください。