ノーベル賞科学者の山中さんと永世七冠の羽生さんとの対談本です。
2018年のものなので、五年以上前ですが、今読んでも色あせていないというか、数年前に予言されているようなことも書かれています。
2人の将棋への向き合い方とか科学との向き合い方が語られていますが、ものの考え方、努力の仕方などはとても参考になります。
羽生さんは「美意識」を意識されます。AIがはいてくることによって、人間の美意識が変わってしまうのでという意見は最もだと感じました。この部分の2人のやり取りはとても面白いものです。
一方、山中さんは「ガラクタのなかに意味があるものがある」と。
これもなるほどと膝を打ちたくなるやり取りでした。要は、人生には無駄なものがない、というか、一見無駄だと思われることでも、生かす人と生かせない人の差が、山中さんとか羽生さんのレベルになるんでしょう。
羽生さんはどの本でもよく書かれていますが、「直観、読み、大局観」の話をされます。今回も出てきた瞬間から、これまでの著書の復習をする気持ちで読みました。また、如何に捨てるか、もよく出てくるフレーズです。
とても楽しみながら読ませてもらいました。
是非とも二人には、もう一度対談本を出してほしいなぁと最後に思いました。