直木賞作品をやっと読めました。

長編で、途中くじけそうになりながらなんとかゴールにたどり着けました。

 

極楽征夷大将軍とは、足利尊氏です。

弟の直義との人生です。

 

帯には、やる気なし 使命感なし 執着なし なぜこんな人間が天下を獲れてしまったのか?とありました。

実に、うまく表しているなぁと、途中で感じました。

特に、第三章の「朝敵」は、笑いながら読めました。

 

幼少の尊氏なら、こうなるだろうな、戦は、こう戦うだろうな・・・・・というのが、ストーリーに入り込み、自然に読み、なおかつ思わず吹き出すシーンが満載です。

 

帯に「執着なし」とありましたが、命には執着する尊氏。

要は、勝とうとしない、負けない、命を大事にする戦いをうまくするんです。

 

最終章の「敵対」のなかに、こんな描写があります。

 

「何故、大事な家臣を、皆死なせてしまうような戦い方をする。あれほど無理押しはするなと申したはずだ」

 

これに対して、「されど、乾坤一擲の大勝負でござりましたゆえ」と師直が答えると、尊氏は

 

「そのような戦い方など、わしはせぬ。ひとつしかない命のやりとりである。のるかそるかの大勝負などは、初めから仕掛けてはならぬのだ」と。

 

長編で読むの時間かかましたが、これだけ歴史小説を楽しく読めたのは、初めてかも