どうも宮城谷さんは、劉備をなんかよく書かないよね、と感じる第8巻。
劉備玄徳は死にました。
曹操も亡くなりました。
劉備がなくなる前の描写は、なかなかでした。
「劉備の心の中の声とは、そういうものであろう。生きたくないがゆえに、かれは病にたおれ、回復を求めなかった。むしろ病床で横になっているほうが、心は安らかであった。関羽と張飛がいるところへゆく。それを思っていればよいからである。」
この辺はうまいね、と感じる。
「劉備が死んだ。六十三歳であった。かれは前漢の高祖・劉邦を模倣し続けたといってよい。ただし敵視した曹操が項羽のように単純ではなかった。端的にいえば、劉備の一生には創意も工夫もなかった。ただし、それをつらぬいたことで、凡庸さを突き破ったのである。が、曹操の有無に対して劉備の無為は、秘めた徳というべき玄徳に達したか、どうか。」
これもうまいね。
いよいよ三国志も真の三国志時代に入りました。
諸葛孔明が活躍するのか・・・・
最後の方で、馬謖が出てきました。
泣いて馬謖を斬る、を宮城谷さんはどう描くのか、今から楽しみ。