市役所勤務の現役保育コンシェルジュ、ナナです。
今日は保育料のお話です。
以下は、私の勤務する市のお話ですが、うちの市は国の指針に基づいた、ごくごく一般的な運用となっています。
が、保育料についての規約はそれぞれの市で大きく異なります。その市の子育て支援にかける意気込みの違いと言えますが、まあハッキリ言うと財政状況が違うからです。お財布事情が違うんですね。
だから、0歳児から5歳児まですべて無料っていう市もある訳です。
はい。前置きはここまでにしまして。
今日のブログタイトル
「保育料2人目半額、3人目無料」のお話に入ります。
まず、1番大事なことをお伝えします。
この「2人目」、「3人目」というカウントは、
「認可保育園を利用している子どものうち」
という意味なんです。兄弟姉妹、同じ園でなくても適用されます。
だから、3人のお子さんがいらっしゃるご家庭で、すでに上の子2人は小学生という場合は、3人目のお子さんは「1人目」のカウントとなり、保育料は満額かかってきます。
(3歳児からは無償化対象になるので、保育料がかかるのは2歳児までのお子さんです)
3人のお子さんがいらっしゃるご家庭で、1番上の子が小学生という場合は、2人目のお子さんが満額、3人目のお子さんが半額となります。
(3歳児からは全員無償化対象です)
よくお問い合わせがあるのが、
「2人、保育園に行っています。上の子は3歳児なので無償化対象です。下の子の保育料はいくらになりますか?」
というもの。
このご質問へのお答えとしては、
「世帯収入をみて算定した保育料の半額になります」
となります。「上の子の半額」というより「本来かかっている保育料の半額」という考え方になります。
では、子どもが3人保育園に行っていて、
1人目5歳児、2人目3歳児、3人目0歳児という場合はどうなるでしょうか。
答えは、1人目と2人目は無償化対象で無料。3人目は無料です。
このご家庭の場合、翌年に歳が一つずつ上がると、1番上の子が小学生になります。2人目の子は無償化対象で無料ですが、3人目の子は「2人目」扱いになるので半額がかかってきます。
はい。頭の体操になりますね。
でも、ここからはもっとややこしくなります。
この「2人目」、「3人目」というカウントは、
「認可保育園を利用している子どものうち」という意味とお伝えしましたね。
ということは…
「認可外」に行っている子はカウントしません。
例をあげますと、
2人の子どもがいて、上の子が認可外、下の子が認可の保育園に入ると、下の子は「1人目」のカウントとなります。なので、満額かかってきます。
3人の子どもがいて、上の子2人が認可外の場合ですと、3人目の子どもは認可の保育園利用者としては「1人目」ですから、満額です。
このことをご存じないと、入園決定後にびっくりすることになります。
今は、認可外保育園でも3歳児以上は保育料無償化制度を利用できるので、以前ほどの負担はないと思いますが、「3人目無料」だと思っていたのに、まさかの満額!これは痛いです。
ここで。さらにややこしい話を追加しますが。
「認可外に行っている子はカウントしない」ということですが、例外があります。
「企業主導型保育施設」に行っている子はカウントします。
上の子が企業主導型保育施設に行っていて、下の子は認可保育園という場合、下の子は「2人目」になり半額となります。
あ、上の子が(2歳児以下で)認可保育園に行っていて、下の子が企業主導型の場合は、上の子は満額です。そして、下の子はその企業主導型保育施設が決めた保育料を満額支払うことになります。
あと、追加でお伝え。
認定こども園については、1号認定(幼稚園利用)、2号認定&3号認定(保育園利用)にかかわらず、カウントできます。
上の子が1号認定で認定こども園に行っていて、下の子が保育園を利用する場合、下の子は「2人目」で半額になります。同園でも別々の園でも適用されます。
うちの市では、上の子が私立幼稚園に行っている場合でも、在園証明書の提出などの手続きをしていただければ、下の子の認可保育園の保育料は半額にしています。これは、市町によって対応は異なるようです。
また、うちの市では、低所得者世帯においては、「小学生になっても1人目、2人目、3人目のカウントに加える」という規約を設けています。ただし、これも市町によって異なります。
自分の市はどうなんだろうと思われた方は、お住まいの市町の役所にお尋ねください。
この保育料の算定、兄弟姉妹のカウントは本当にややこしいです。うちの係に配属された職員は、最初は皆、頭を抱える案件です。
4月入園の1次選考の結果が出た今、入園決定された方から
「3人目だから保育料がかからないと思っていたけど、満額かかるって聞きました。辞退したい」
という申し出がポツポツあります。
そりゃ、タダだと思っていたのに、4万も5万もかかると分かれば辞めたくなりますよね。でも、入園申込みの前に気が付かれなかったのかな、と残念な気持ちになります。
はい、では今日はここまでです。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。