市役所勤務の現役保育コンシェルジュ、ナナです。
前回のブログで保育料のことを書きましたが、保育料関連で新しく勉強になったことがあったので、そのことを書いてみたいと思います。
4月入園し、保育料決定通知書を受け取られた保護者さんからのお電話の中に
「親族里親は保育料が免除されると聞いていたのですが」
というお問い合わせがありました。
その方の提出書類などを確認してみますと、シングルファーザーであった父親が行方不明となり、祖母さんが子どもさんを養育されているという世帯構成でした。お電話をかけてこられたのは祖母さんです。
里親さんは保育料を払わなくても良いということは知っていましたが、この方が保育園入園にあたり提出された書類には、どこにも「里親」の記載はありませんでした。
父親の欄は「行方不明」と記入され、警察から出された証明書が添付されていました。母親の欄は「○年△月離別」と記入されていました。
祖母さんが申請者として入園申込みをされているのですが、この書類では「父母に代わって祖母が子どもを引き取り育てている」ということは分かりますが、「里親」というワードには結び付きません。
里親って「身寄りのない子どもを育てている」というイメージでしたから、祖母が里親?‥‥という違和感みたいなものを感じました。
でも、それは全くの私の勉強不足でした!
「お調べしてからお電話します」
と一旦電話を切り、ここから関係各所に問い合わせたり、制度の要覧を調べたり、過去の前例を確認したり。
そして、分かったことを以下にまとめますね。
・子どもの両親が死亡、行方不明、病気、拘禁などの理由で子どもを育てられない時、親族が子どもを預かって育てる「親族里親」という制度がある。
・親族里親になると、自治体から子どもの生活費が支給され、教育費や医療費などの助成が受けられる。(保育料の免除はこれに当たります)
親族里親になるには様々な条件があります。
でも、この制度を利用出来れば、経済的にあまり余裕がないという親族さんも子どもを引き取ることができると思います。
ちなみに親族ではない一般的な里親である「養育里親」に支給される「里親手当」は、親族里親には支給されません。また、養子縁組をした場合は「里親」ではないので、この制度には当てはまりません。
さて。
ここで、お電話を下さった祖母さんに話を戻しますね。
親族里親は保育料が免除になるということは明確になったのですが、この方が親族里親であることの証明が必要となります。その証明書を県や児童相談所に出してもらって、はじめて保育料免除となる流れです。
入園申込みの時、あるいは入所決定通知が出た時にでも、「親族里親なんです」と祖母さんからお申し出いただいていれば、事前の対応も出来たのですが、祖母さんにしてみれば、「特に言わなくても分かってもらえている」と思われていたのでしょう。
ところが、里親であることはご本人さんが申し出ていただいて私達は初めて知ることになるのが現状なのです。申し出をされなくても受付時に、保護者と子どもの姓が違うと、こちらからお尋ねしたりして分かることもあるのですが、今回の場合、祖母さんも子どもさんも同じ姓でした。
実は様々な事情があって孫を育てているという祖父母さんは珍しくはないのです。でも、「親族里親になっている」とお聞きするのは、私は今回が初めてです。
(それだけケースとしては少ないのでしょう。または、認められる条件が厳しいのかな?)
ともかく、この祖母さんには対応が不十分だったことをまずはお詫びしなければいけません。そのうえで、親族里親であることの証明書の手配などを県の方に依頼し、現在手続きを進めているところです。
長くこの仕事をやっていても、分かっていないこと、知らないことがまだまだあるんだなと思いました。これからも勉強ですね。
はい。今日はここまでです。
最後までお読みいただいて、ありがとうございました。