エピソードアワード2018~春~

<読者様から送られた、素敵なエピソードを公開していくコンテストです。>

素敵だなと感じたエピソードには“いいね”や“コメント”をすると

応援することが出来ます。

 

エントリー⑳

ペンネーム 天川織乃さん

 


「だから、手を合わせるのです」

 


私が作文のコンクールの授賞式に参加したときのこと。
コンクールの対象者は、私の住んでいるT市の小学生から大学生まで。

 

「今回、応募された作品は

『お友達を大切にしようと思いました』『家族に感謝したいと思います』など、

とても優しく、あたたかな気持ちになれる作品が多くて、

とても嬉しい気持ちになりました。」

 


そう言って、開会式の挨拶を切り出した、コンクールの会長さんは
「だから、私はこんな話を思い出してしまいました。

ふふふ、でも、中学生や高校生のお兄さん・お姉さん達は

つまらないかもしれないね」

そう笑顔で話し始めました。

 

 

(以下の話は、最初だけ読むと結末は分かるかもしれませんが、

伝えたいのは「そこ」ではないので最後まで
読んでいただければ、嬉しいです♪)


―― ある日、左手さんと右手さんが喧嘩をしました。

右手さんが左手さんに言いました。

「ねぇ、左手さん。僕はいつも、鉛筆で字を書いたりお箸
でごはんを運んだり、お裁縫のとき針で縫ったりしとるのに、君は働かんねぇ。」

 


左手さんは言いました。

「あ、そ。じゃあ、いいわ。もう、私何もせんから。」

 


さあ、大変です。
次の日、朝ごはんを右手さんが箸で運ぼうと思っても、

お茶碗は机の上なので、上手に運ぶことが、出来ません。

鉛筆で、字を書こうと思っても紙がずれていってしまいます。

お裁縫は布に針を刺すことさえ出来ません。

 


そこで、右手さんは気づきました。

 

「あ、僕って1人やと、何も出来んやん!」

 

 

右手さんは、左手さんに謝りました。

 

「ごめんなさい。これからも、よろしくお願いします。」


そうして、右手と左手は互いに協力し、

相手のことを大事にするようになりました。

 


だ・か・ら、ご飯を食べる前の「いただきます」も、

食べ終わった後の「ごちそうさまでした。」も、

「手を合わせて」合掌をします。

 

だから、神社にお参りに行ったときには、

神様の前で「手を合わせ」ます。

だから、寒いときには、「寒いねぇー」と言いながら、手を擦り合わせ」るのです。


―― この話を聞いていた私は、

「高校生のお姉さん」ですが、きっとこの会場の中で1番、
この会長さんに、心から手を合わせて敬意を表したい、と思っていました。

 

 

「だから、手を合わせるのです」

エントリー⑳

作 天川織乃


 

 

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