― わがはい、大福もちが好物である ―

 

 

私は、変な夢でも見ていたのだろうか?

謎の声によって、起こされた。

 

布団という唯一、私を裏切らない

心の底から愛せるダーリンにサヨナラを告げ

昨夜、食べかけで寝てしまった大福もちを朝ご飯代わりにほうばる

 

なんてことはない、いつもの風景だ。

 

 

鏡を見た

いつもと変わらぬ部屋の風景

いつもと変わらぬ疲れた顔がそこには、うつしだされていた。

 

 

「えーっと・・・大福もち、まさかとは思うんだけど全部食べた?」

 

 

(…ん?)私を起こした声と同じ声がした。

 

 

「ちょっと…え。うそん。普通に食べてしもてるやん。

めっちゃ口の周りにアンコついてもうてるやん。

好物やっていったやん!!自分ないわー!ないっ!」

 

 

(ほう…とうとう私も今ドッカンドッカン来ている

子宮の声みたいなのを聴こえるようになったか…

ついに……とぅいに!!!)

 

 

「いや、なに一人で嬉しそうな顔してるねん、気持ち悪いなー

コッチやコッチ。」

 

 

もう一度、鏡を見ると変な男が私の後ろに立っていた。

 

私は驚き、女子力みたいのもみせるために

「キャーー!!」とか念のため言いながら後ろを振り返った。

 

 

「どこ見とんねや。コッチや、コッチ」

 

 

声は鏡の中から聞こえる。

わたしは何度も鏡と後ろを交互に確認しながら

時々、ファンタジーなんかで見る鏡の中の世界を確信した。

 

 

『おじさん…誰?』

 

鏡の中の男は、飽きれたような顔で頭に手をやりながら答えた。

 

「松陰や。吉田松陰。っていうか、あの吉田松陰。」

 

『ふーん……。変な名前。』

 

「いや…。まさか自分、わしのこと知らんかったりする?」

 

『ありがちな名字に、なんか陰のありそうな名前!』

 

「えええーー自分、あの松下村塾とか知らんわけ!?あの!!」

 

『塾?予備校みたいなのかしら。』

 

「あーもう自分最悪やわ…どうせ新選組は知ってるとか言うタイプやわ

そう言いながら松陰は薄くなり消えようとした

 

 

『ああー!!ちょっと待って!!』

 

松陰はどうやら、止めてほしかったみたいで

ちょっとだけ嬉しそうな顔で「ん?」とか言いながら

また、クッキリとした姿で鏡にあらわれた。

 

 

『もしかして、その鏡の中からずっと見てたの?』

 

「し…知らない ('ェ')」

 

『絶対見てたじゃない!!現に大福もちとかも見てたし!』

 

「見てない  ( ˙-˙ ) 」

 

『今日のパンツの色は?』

 

「黒」

 

『見てんじゃないのよ!!』

 

 

私は怒り狂ってティッシュやらゴミ箱やらを鏡に投げつけた。

松陰は、ディフェンスに定評のある池上も驚くほどのディフェンス力で

阻止しようとしていたが、鏡の中なのでもちろん届かない。

 

 

松陰は開き直った顔で言った。

「いや、もう言ってしまえば昨日泣きながら大福食べてたのも

一昨日、自分のパンツかぶって変態仮面の真似してたのも

部屋の一部だけ片付けて、そこで自撮りしてたのも全部知ってるし

“部屋とYシャツと私”のフリツケを勝手に作ってたのも知ってる。」

 

 

私は、顔面蒼白になり鏡を割ろうとした

 

 

「待って待って待って!!これはあくまでリサーチやねん!!」

 

『なんのリサーチなのよ!!変態じゃない!のぞき魔!!』

 

「いや!リサーチや!!今、この疲れ切った現代の人々が

少しでも自分らしく、輝けるようにするための!!」

 

『ここで調べた所を誰に公表するのよ!誰の役に立つのよ!』

 

「自分や。自分らを輝かそうとしてるんや。

ほんまはもっと輝けるんやさかいに

せやのにちっとも輝こうともせえへんから

そこいらの神々達と一緒に話おうてるんや!対談しとんねん!」

 

『か…神々達って何よ!馬鹿らしい!!』

 

私は、すでに鏡に男がいるだけでもバカらしいのに

更にバカらしいことを言う男に怒りをぶつけた

 

「いやいや、ほら、その壁にバーンちゃんのポスターはってあるやん?」

 

『バーンちゃん?…あぁ、オードリー・ヘプバーンだしね。あれ』

 

 

私はオードリー・ヘプバーンが好きだった。

彼女が出て来た時代は

ギラギラの派手な女優たちが一世風靡する時代だった。

 

そんな中、おしとやかな雰囲気をかもしだし

当時の綺麗の基準とは、かけ離れた見た目だったが

オードリー・ヘプバーンは、観る人を魅了した。

 

その圧倒的な魅力は、新たな綺麗の基準を作り

一つの時代をつくった女性だった。

 

私はその、存在感に憧れを抱いていたのだ。

 

 

私がオードリー・ヘプバーンへの憧れを察知したのか

松陰は得意気に、指を立てながら言った。

 

「バーンちゃんも、あれやしね、対談とか呼べるしね。」

 

 

『嘘よ!絶対嘘!!だって死んでるじゃない!』

 

「いや、そりゃそうでしょ。神々だもの。

むしろ、生きてる人間が鏡の中にいたらそれこそ怖い話やしね。

世にも奇妙な物語とかも平然と出れるしね。タモさんみたいな顔で。

 

ただ、わしらの魂は死んでいないし、志は生きている。

現に自分ポスターはったり

彼女の生き様に勇気づけられたりしてるわけやろ?

ということは、今も生き続けてるんや。志は。」

 

『じゃ…じゃあ呼んでみてよ!ここに!!』

 

 

松陰は、面倒くさそうに「しゃあないなぁ」と鼻をほじったあと

鼻くそをピン!っと飛ばすと(ボンッ!!)と鏡が曇り
曇りが晴れると、オードリー・ヘプバーンがあらわれた。

 

「いよう!久しぶりやなーバーンちゃん!!元気してたか!

ごめんな、急に呼び出して!どこにおったん?」

 

「ティファニーで朝食を(ボソッ)」

 

「そっかそっかー、サラっと自分が出た映画の番宣するねー。

ほら、バーンちゃん呼んだで。バーンちゃんも対談でとるんや」

 

 

『は…鼻くそからヘプバーンでてきた!!』

私は憧れのヘプバーンが鼻くそから生まれたショックやらなにやらで

なんかもう色々バーンしそうだった。

 

 

「で?何か聞きたいんじゃなくって?」

ヘプバーンは鏡に顔をグイっと近づけた。

その美しさに、私は一瞬で心を奪われそうになった。

 

『あ…でもわたし、仕事行かないと!』

 

「何言ってるの。今日は休日よ。っていうかローマの休日。」

 

 

ヘプバーンは(あ、今のはうまいこと言えたな)みたいな顔で

満足そうな顔をしていた。

 

『あ、そっか…今日休日だ……。

休めるーーーーーーー!!』

 

私はガッツポーズのまま、仰向けに倒れた。

 

 

「お仕事が嫌いなのね。

お仕事は楽しんだ方がいいわよ。

女性にとって仕事というのは生甲斐そのものよ?」

 

 

『あっ…いや、そうなんですけど…どうしても、楽しめなくって。

あ!そうだ!私、ヘプバーンさんに憧れてるのですけど

どうやったらヘプバーンさんみたいに成功できますか?

私、変わりたいです!!』

 

 

ヘプバーンはまるで“ティファニーで朝食を”の

表紙のような仕草で

シガレットホルダーをセクシーにくわえ、遠い目をしながら答えた

 

 

「成功は誕生日みたいなもの。
待ちに待った誕生日がきても、
自分はなにも変わらないでしょ?

 

変わることに価値があるわけじゃないわ。

現状を変えていこうとする事には価値があるけどね。」

 

 

「ど…どういうことでしょうか?」

 

 

「そうね……じゃあ、輝くと言うことについて教えてあげる」

 

 

 

 

つづく

 

 

 

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めしょん

 

 

 

 

 

美言1075『志は生き続ける』

 

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