※この物語はスーパーフィクションです。


お通夜の日、私は、ご親族の方と共に一夜を
エリカと一緒に過ごさせてもらった

棺桶をあけ、静かに眠るエリカはいつもと変わらず
透き通るように綺麗で、今にも…


『ジロジロ見てんじゃないわよ。ぶさいく』


っといつもの口調で言いそうだった。言ってほしかった。


エリカから貰ったものは計り知れない。
あの時、素直に退職させられてたら
きっと私は何も掴まずにそして、なにも掴もうとせずに惰性で生きてただろう


彼女は現実とは自分で創っていくもんだと教えてくれた。
今、こうして冷たく眠るエリカを見て
エリカの現実を、私は引き継いでいきたいと思った。終わらせたくないと思った


-『早く電話に出ろ!ぶさいく!ははっ♪』

エリカが勝手に着信音にしたエリカ着ボイスが鳴った。
深夜、静まり返った中、棺の近くにいる私から聴こえたエリカボイスに
親族中が驚いた顔をしたが、みんな笑ってくれた。いい人達だ。


「新しいプロジェクトの事だが…後半のトップバッターだそうだ」


『…はい?』


「だから。後半のトップバッターだそうだ。」


『…イ…イチローっすか?』


「何をふざけてるんだ!代々木ランウェイの後半トップバッターだ!
ただのアシスタントで呼ばれたお前が
大御所でもなかなか抜擢されない後半トップバッターだ!」


『ランウェイ?何かの間違いでしょうか…?』


「決めたのは【oMaMe】のデザイナー兼編集長だよ。
まったく何考えてるんだか
とにかく!業界はその抜擢で大注目だ!しっかりしろよ!」




…後半のトップバッター……ランウェイ……
…!?


後半のトップバッターはゲストアーティストのライブの後
音楽に合わせてランウェイでパフォーマンスをする。っという
アーティストとモデルとオーディエンスを繋げるという需要な役割
ここで下手に温度差を出してしまってはコレクションは台無しである。


…え?
…私が?


今更心臓がバクバクなり出した。
エリカの方に目をやると、うっすら笑っていた。
「全力で行ってこい。バカヤロウ」そう言わんばかりの顔だった。








代々木第一体育館で行われるランウェイは、華々しく幕を開けた。
夢にまで見た一流モデルが自分の横を通ってステージへ向かっていく。
私は完全に呑まれそうだった。


永遠の夢だと思っていたランウェイ。
一生、上がる事はないと思ってたステージ。
周りのメンツと比べて何から何まで劣っている自分。


頭は完全に真っ白だった。


ゲストアーティストの演奏が始まった。
この後、私の出番だ。…帰りたい。
一瞬、昔の弱っちい自分に戻った気がした


--


『いい?現実なんて自分が創ってんのよ。
自分が相応しいと思った世界が現実よ。何見てんのよ。バカ』


--!?


私は首の骨が折れるほど振り返った。
ステージから聞こえる爆音は消え、私はいるはずもないエリカを探した。


『ぶさいくなんだからぶさいくなりにやりゃいいのよ
格好つけたって格好悪いだけよ。
それに比べてんじゃないわよ。ばか。皆上に決まってんだろう。』


『モデルって言うのはね。撮影されるからモデルなんじゃないの。
皆が自分のモデルにしたい。自分の未来のモデルにしたい。
そう思わせるからモデルなの。
だからアナタは心や生き方も皆のモデルになるような存在になりなさい』


「エリカ…さん。」


-『どうしたの?なんか聞こえた?』


私はスマコさんの声で我に帰った。
その時、真っ暗な通路にたくさんの文字が書いてある壁を見つけた。


「スマコさん…あれは?」


『あぁ。。。あれはこのランウェイに出た人が
皆ああやって名前を残していくのよ』


スマコはアナタも書く?っという感じで眉毛を動かした。
私は頷き、ゆっくりその壁に近づいていった。


ここに名前を書いた人達はどんな思いでここに辿り着いたんだろう。
ここに名前を書けなかったものも何十万人もいる。
辿り着きたくても辿り着けなかったものが山程いる。


ここに書かれてる面々の名前を見てそう思った。
誰もが本気で生きていて、誰もが進化してる人だった。
そして、このコレクションに関わった
何千人の人達の思いを乗せて表現できる人達だった


その時、私の目にある文字が飛び込んだ。


「スマコさん…これって…」


『ああ。そうよ。エリカちゃんだわ。』


「…エリカさんもこの同じステージに立ったんだ…」


『後半のトップバッターでね』


エリカさん…。


「スマコさん。私、このステージが終わったら…
今できる最高のパフォーマンスを今から見せてくるから…
不細工なりのパフォーマンスを見せてくるから…」


『わかったわ。…今は書かないのね』


「その代わり!--」


『エリカちゃんの下は私が死守しておくわ♪』


スマコは白い歯を見せて、親指を立てた。


ステージ上は最高潮に盛り上がりを見せ
MCの掛声と共に




私はランウェイへの一歩を踏み出した。





--



--物語後記ーー

全6話のランウェイ
いかがだったでしょうか?


夢中で描いた結果、気が付けばこの一記事の長さで言うと
30話を超えたので、これはまずい。っという事で
メルマガ用に6話にまとめさせてもらいました。


ですので、少々ぶっ飛び感はあったかもしれません。
おでん屋のおっちゃんとのストーリー、エリカからのレッスン。
出来る限り、この6話に詰め込んだつもりではございますが


完全版ではもの凄くやりとりがありましたので
どれだけ伝わったかな?っと思っております。


主役に名前を付けない。という事で
よりリアルに自分を当てはめることができるかな?
っと思い、名前をつける事はしませんでした。


スラッとお読み下さったのなら一度
ご自身を主人公にして、お読み頂ければと思います。


それでは♪アナタが起こすランウェイへの一歩
私は心から楽しみにしておりますので♪
一緒に本気で自分を生きた奴にしか
見れない景色を見に行けたらなと、思っております。


また、ランウェイを進めていく中
本当にたくさんのメールでのご感想、どうもありがとうございます。
おかげで30話から6話への凝縮。
最高のゾーンで編集する事ができました。


最後までお読み下さいましてどうもありがとうございました



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