※この物語はスーパーフィクションです。


パシャ。パシャパシャ。
『はーーい頂戴!あーもう最高!もう一回その笑顔見せて!
んもーーー!イチイチ完璧!!イチイチ最高!』


彼の名前は須摩村さん。通称スマコ
この業界では知らない人がいない一流カメラマンでありクリエーターだ。


私がモデルとして歩み始めた頃、ずっとずっと笑顔が不自然
と言われてへこんでた所、「私が引き出してあげようかしら?」
っと偶然言われたのが知り合ったキッカケだ。


関係者曰く、私がこの業界に入って最初に起こした奇跡が
スマコさんに気まぐれ極まりないオファーを貰った事らしい。


『あら。アナタの笑顔…んーーー。あの子に似てるわね!
エリカちゃん!エリカちゃんにそっくりよう!』


「…え!?エリカさん。知ってるんですか?」


私は驚きのあまり声を大にして聞いてしまった


『知ってるも何も…あんな才能持ったモデルなかなかいないんだから!
あー。もっと撮りたかったわぁ。エリカちゃん。』


私はエリカに似てると言われて飛び跳ねるように嬉しかったのだが
以前おでん屋のおっちゃんから聞いたエリカのモデル時代が気になって思わず聞いた


「エリカさんはなんでモデル辞めちゃったんですか?」


『そうねぇ。スイッチ入った時のパフォーマンスは一級品だったんだけどねぇ
どうしてもこの業界は誰かと比べられちゃうの。たった一つの物差しでね。
ホラ。人って何でも比べたがるじゃない?』


確かにそうだ…。私たちは学校教育から
ずっと誰かより優れてる。誰かより劣ってる
そういう一つの物差しでずっと計られてきた。
だから失敗するのも怖くて…


『だからあの子も比べちゃったのよ。クダラナイ世間の物差しでね。
上を目指してる時はいいの。でもピラミッドの上に行けば上に行く程
上は叩き潰そうと、そして下は引きずり下ろそうとしてくるのを感じるわ。
きっと…そういうのが嫌になっちゃったんだろうねぇ。。。』


「そうなんですかぁ…。そんな事があったんですね。。。
もう一つ聞いてもいいですか?」


『なぁに?』


スマコはひげをジョリジョリ右手でこすりながら質問を待った。


「なぜ。あの時、私を撮って下さる気持ちになったんですか?」


『んーーー。勘違いしないでね。アナタだから。とかじゃないのよ
単純にあの時アナタ【oMaMe】のコート着てたじゃない?
私、あのコート好きでさぁ!一回撮ってみたかったの!
そしたら、とんでもない笑顔までくれちゃって…!!んもうぅ!凄い才能だわぁ!』


…変な人だ。
でも…私を開花させてくれた大事な大事な存在。



その日の撮影が終わり
私は退職後も週一回、美容マインドやカメラを前にした時の心構えを
レッスンしてくれるエリカに会いに彼女のマンションへ向かった


オートロックの前で呼び出しを押しても、出ない。
次の瞬間、私の後ろを救急隊員が猛ダッシュでマンションに入っていった


心臓が尋常じゃなくドキドキして振り返った。


…エリカさん!


私は救急隊員に便乗してオートロックを抜けた。
救急隊員はエレベーターで上がっていった。
私は猛ダッシュで28階まで階段で上がろうとしたが…さすがに無理。


もう一台のエレベーターが運良く降りてきたので
降りてきた人を押しのけてエレベーターに乗り込んだ。
私は28階のボタンを高橋名人よりも早く連打した。


『エリカさん。エリカさん。エリカさん。。。』


エレベーターの扉が開くと同時に、私は飛び出した。


嫌な予感は、その辺の占い師よりも的中する。


救急隊員が慌ただしく入っていったのはエリカの部屋だった。


私は救急隊員を押しのけ、倒れるエリカを見つけた


『エリカさん!エリカさん!』


「下がってください!!急ぎますから!」


『エリカさんは!エリカさんは大丈夫なんでしょうか!?』


「命に別状はありません!ただ!だいぶ衰弱されてるようです!
いいから下がって!」


…私は、急に体が震え
ただ、廊下の邪魔にならない所に座り込む事しかできなかった



「…お知り合いの方ですか?」


『…はい。』


「病院まで、付き添ってもらっても?」


『…はい。』


「じゃあすみません。少し急いで一緒に救急車に乗って下さい。」


私は震えが止まらないまま、救急車に乗り込んだ
救急隊員が手際よく応急処置を行う中
私はエリカの顔を見た。



エリカはうっすら目をあけ、私の顔を見て小さな声で言った。


『…何泣いてんのよ。。。ぶさいく。』


涙でぐしゃぐしゃになった私を見てエリカは振り絞るように声を出した


『大丈夫よ。わかる。3日で普段通りになるわ。
だからアンタはちゃんと仕事しなさい。ほら。アイメイク崩れてる。』


「エリカさん…わたし…」


『なんも喋んなくていいわ。うるさいわね。
モデルって言うのはね。撮影されるからモデルなんじゃないの。

皆が自分のモデルにしたい。自分の未来のモデルにしたい。
そう思わせるからモデルなの。
だからアナタは心や生き方も皆のモデルになるような存在になりなさい』


エリカはそう言って、少し眠った。


私は3日後、新しいプロジェクトからオファーが決まり
その日、エリカは亡くなった。






つづく





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---次回ファイナルステージ---

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