札幌中心部のビル内の整形外科で診てもらった結果は、幸い骨折ではないという。レントゲン写真を3枚撮って、医師は子細に観察した。CTで検査しないと断言できないが、たぶん大丈夫でしょう、ということだった。ホッとした。
 

半日市内観光バスに乗る​

 湿布薬と痛み止めを処方されて外へ出ると、もう11時半に近い。

 歩いて、以前に入った、時計台に近いラーメン屋に入った。以前食べた時より、旨みと切れに欠けると思ったのは、気のせいか。以前のなかった、ランチ時は大盛り無料という表示も、味が落ちた代償なのか。

 ともあれ食べ終わって、ホテルに戻って小休止した。都心のホテルに連泊だと、いちいち喫茶店に入る必要もないのは便利だ。

 僕は、札幌駅北口にある市内観光バス発券窓口に行った。今まで行けなかった大倉山ジャンプ競技場(大倉山シャンツェ)と羊ヶ丘展望台に行く半日観光バスが出ているからだ。この2カ所とも、個人で地下鉄、バスを乗り継いでいくとなると、アクセスが悪い。
 

高校修学旅行生一行に遭う​

 バスは午後2時15分に出発した。最初は、大通公園を中心に市内の名所の車窓観光で、僕には珍しくも何ともない。

 最初に駐まったのは、市西郊宮の森の大倉山ジャンプ競技場だ。

 ここは、1972年の札幌冬季オリンピックの90メートル級ジャンプ場になった所だ。今も冬には、ジャンプ競技が行われる。

 僕は、毎年のように札幌を訪れているのに、ここは初めて。

 バスを降りて、長いエスカレーターを登ると、オリンピック・ミュージアムとリフト乗り場などがある。ミュージアムは時間がないので、リフトだけ登ることにする。

​ どこかの高校の修学旅行の一団と遭遇した。ジャンプ場を背に、記念写真を撮っている(写真)。卒業アルバムを飾るのだろう。​

 


展望台の見晴らしは良好、藻岩山や円山も遠望​

 さすが90メートル級ジャンプ場の上まで行くだけに、長い。スタート台から着地点までの高低差は、133.6メートルもあるという。

​ 下から見ても急傾斜だが(写真)、上から見たらさぞかし怖いくらいの急角度の傾斜に違いない。ジャンパーは、ここを飛ぶのだ。訓練されていなければ、怖くて飛べない。​

 

 

 リフトに乗って、ふいとはるか右手を見ると、歩いても登れる遊歩道があるようだ。来年は自分の脚で登ってみようと思った(写真)。

 

 展望台に到着した。昨日の藻岩山よりも、視界はずっと良く、札幌市街を一望できる(写真)。​

 

 

 

 

​ 藻岩山よりも北に位置するから、やや角度は異なる。ずっと右方向の木立に隠れる間際にその藻岩山山頂が見え、前日と違って雲はかかっていなかった(写真)。今日なら展望は良かったのだろう。​

 

 

 ここからは、手軽に、それこそスニーカーでも登れる円山もよく見える(写真)。​

 


大倉喜七郎の顕彰碑​

​ 市街地の南北(画面では緑に包まれた円山公園の緑の切れた先の遠方に縦方向に走る緑地帯)の大通公園もよく見える(写真)。藻岩山山頂からは、遠すぎて見えない。大通公園の先に小さく見える塔が札幌テレビ塔だ。また画面中央に見えるのが、円山球場で、間もなく始まる高校野球北海道大会の主会場になる球場だ。​

 

 

​ リフトで降りてくると、記念碑が建つ(写真)。大倉山ジャンプ競技場の名前の由来となる大倉喜七郎の顕彰碑だ。大倉喜七郎は、このジャンプ競技場の前身のシャンツェを私財を投じて造り、後に札幌市に寄贈した人物である。​

 

 

 僕たちは、バスに戻り、次の目的地の羊ヶ丘展望台に向かう。

(この項、続く)


昨年の今日の日記:「函館の旅(27):コースを間違え断崖を俯瞰する場に出た、我が山人生最悪の危機に遭遇」