SNSの青少年利用を禁止・制限する動きが世界的に広がっている。
アメリカでは州裁がSNS2社に多額の賠償
オーストラリアでは、世界に先駆けて2025年12月から、16歳未満のSNS利用を禁止する法律が施行された。
デンマークなど一部EU諸国も法的な利用禁止を目指し、その動きは日本にも少しずつ波及しつつある(写真=SNSで交流する子ども)。
またアメリカでは3月にカリフォルニア州裁判所の陪審団がメタとグーグルに計600万ドルの賠償を命じた。評決は、原告側の「利用者が中毒になるようにSNSのアルゴリズムが設計されていて、それはたばこ産業と同じだ」との主張に沿ったものとなっいる。
SNSとタバコが同列に並べられているように、「中毒」を含む耽溺性や犯罪に巻き込まれかねないことへのSNSへの警戒感が広がっている。
半世紀前の映画ではタバコを吸う姿は普通
タバコ喫煙禁止・制限とのアナロジーを、そこに感じとれる。イギリスで先進国で初めて18歳以上のタバコ販売が禁止される法律が制定されそうだが(4月29日付日記「イギリスで2009年以降生まれは生涯禁煙へ:世界で2番目、先進国で初の快挙」を参照)、法律で禁止しなければならないほど喫煙の根絶は難しいのだ。
20世紀半ばまで、アメリカなどでは青少年を含めて喫煙が普通だった。アメリカ映画を観ると、レストランでもみんな喫煙している(写真=1961年作の『ティファニーで朝食を』のオードリー・ヘップバーン)。
成人に限っても半数以上が喫煙者だった。上流階級の女性も喫煙するのは普通の習慣だった。
タバコから逃げられない貧困層
しかしタバコが健康被害を引き起こすリスクが疫学的に立証され、その恐れが少しずつ認識されるようになった1950年代から少しずつ喫煙者は減り始め、1964年にタバコの健康被害が公式に認定されると、上流の人々はタバコをやめた。公式認定直後の1965年に約42%だった喫煙率は、2022年には11〜13%程度にまで激減した。
しかしそれでもなおアメリカ人の13%はタバコを吸っている。この多くは、皮肉にも栄養的偏りの無い食品購入ができないほどの貧困層だ(写真)。
例えば大卒以上のアメリカ人の喫煙率は極めて低く、数%台に留まる。それは、とりもなおさず高所得層である。半面、高校中退者などの低学歴層、すなわち低所得層の喫煙率はかなり高く、30〜40%にも達するのだ。
この傾向は、アメリカに限らず先進国で大なり小なり共通している。
子どもをSNSの負の側面から解放するために年齢制限は必要か
SNSも、いずれはそうなっていくかもしれない。詳しい統計を知らないが、アメリカでも日本でも、高所得・高学歴の層ほど親はSNSに抑制的で、したがって子どもには制限をかける。溺れるのは、貧困層だけ、というアメリカのタバコ状況に近くなるかもしれない。
闇バイトに誘い込まれる青少年がしばしば報道される。中毒状態になってSNSに浸りきりという子どもの話もよく聞く。
最もセンシティブでこれからの可能性も無限な青少年が、SNSの闇に引きずり込まれるのを防ぐには、日本でも年齢制限が必要なのではないか。
昨年の今日の日記:「9000万年前の奇妙な新種恐竜を発見、2本指の1本にケラチン質の爪鞘」



































