​ 28日投開票された衆院補選で唯一、自公が候補を立てた島根1区で完敗した(写真=当選を確実にして花束を受け取る亀井亜紀子氏)。ここは故細田博之氏がずっと勝ち続けた選挙区で、したがって候補を立てた自民は負けたことがなかった。そこで、立憲民主党に完敗した。この痛手は、自民には大きい。

 

 東京15区と長崎3区は、候補を立てることすらできず不戦敗。ここでもそこそこ組織力のある立憲民主党は勝った。つまり自民は3戦全敗ということである。

 今の不人気岸田グズ眼鏡を裏付けるような結果だった。


いいことばかり並べるけれど誠実さを欠く岸田グズ眼鏡​

 弁が立ち、いいことばかりを並べるけれど、どこか誠実さを欠き、うさんくさい――多くの有権者たちは、岸田グズ眼鏡をそう見ているに違いない。

 例えば「激変緩和」として一時的に導入したはずのガソリン補助金を、激変がとうに過ぎたのにズルズルと延長し、その出口すら見えない。大型の子育て対策では「国民に実質的な負担は生じない」と強弁しながら、社会保険料から1人500円から1000円を召し上げる。知り合いの非正規で働く独身中年女性が怒っていた。彼女には何の恩恵も無いのに負担だけがのしかかってくるのだ。世論調査では6割以上が否定的な姿勢を示し、何のためなのか全く目的が分からない所得税減税を6月に強行する。


力にするはずの変化に臆病な守旧派には動揺​

​ 27日の連合主催のメーデーで、「今年、物価上昇を上回る賃上げを実現させた。来年以降も物価上昇を上回る賃上げを必ず実現させる」と触れ回った(写真)。賃上げは、労組と企業の問題であり、政府が介入すべきことではない。岸田グズ眼鏡の言っているのは、かつてのソ連のような社会主義独裁者と同じことなのだ。​

 

 

 「変化を力にする」と言いながら、変化に臆病な守旧派の声の前に動揺する。

 こんなだから世論調査のたびに、岸田グズ眼鏡の支持率は縮小し、不支持率は拡大していく。


僕は岸田を総裁に選んだことで自民を見限った​

 これでは今の国会会期末の6月解散なんて、とうていできないだろう。世論の声をバックに珍しく強気に旧安倍派の重鎮を追放して「岸田一強」を実現したはいいけれど、である。

 支持率の漸減が続けば、岸田では選挙に勝てないという自民党内の声が高まり、9月の総裁選も不戦敗に終わるだろう。

 僕は、岸田グズ眼鏡が首相に選出された時から不支持だった。こんな苦労知らずで巧言だけのリベラルお坊ちゃんを総裁に選んだ自民党にも失望し、以来、日本維新の会への支持に転向した。

 ともあれ岸田を担ぎ続けることは、保守としての自民の「死」を意味するから(代替政党として維新がちゃんと控えている)、早急に本来の保守を総裁に就けるべきだ。


筋を通す保守派の野田氏を担げ​

​ 首相候補としての重みが足りなければ、自民は、いっそ立民の元首相、野田佳彦氏を立民から引き抜いて担いだらどうか(写真)。野田氏の安保感は、自民の保守派と同じで、しかも筋を通す。​

 

 

 かつて民主党最後の首相として、負けるのを百も承知で安倍氏の自民党に国会で堂々と解散を宣言し、国会を解散した。しかも安倍氏と公明とのの3党合意で、選挙にマイナスを百も承知で消費税の増税を決めた。閉塞した政治環境を一新しようという思いのみなぎったその姿勢は、さわやかな印象を残した。

 僕は、当時の民主党も今の立憲民主党も嫌いだが、野田氏は、唯一、敬意を抱ける民主党・立憲民主党の政治家だと思う。


昨年の今日の日記:「衆参5補選で自民4勝1敗も内実は対立陣営の立民が拙劣で弱すぎたから、真の勝者は和歌山1区で勝利した維新」