日本人宇宙飛行士2人が、いよいよ月に行く。岸田グズ訪米でのバイデン大統領との首​脳会談と並行して行われた同じ訪米中の盛山正仁・文科相とNASAのビル・ネルソン長官との会談で、正式に決まった(写真)。​

 


まず2026年、アメリカ人が​

 両氏はアメリカ主導で月を有人探査する「アルテミス計画」の活動内容を示した文書に署名した。

​ 合意では、日本人の宇宙飛行士2人とトヨタなどが開発している月面探査車(写真)が月に行く。

 

​ アルテミス計画では、まず2026年にアメリカ人が月に降り立つ。これは、1972年のアポロ17号月面探査(写真=船外活動で月面車を運転するユージン・サーナン飛行士)以来のことになる。実に半世紀以上ぶりの月面復帰だ。​

 


日本人飛行士の月面到着は2028年以降​

 それまで6回、アポロ宇宙船で飛行士が月面に着陸しているが(アポロ13号だけは、月への途中の機械船の酸素タンクの爆発で月面周回に切り替えて帰還)、月面を歩いた飛行士はすべてアメリカ人だった。

 日本人の宇宙飛行士が月に行くのは、その後の何回目かの2028年以降になる。

 すべてアメリカ人だったのも、アポロ計画がNASAのミッションだから当然だが、もし計画どおりに日本人の宇宙飛行士が月面に降り立てれば、その人は(最初は1人だけ)アメリカに次ぐ2番目の宇宙飛行士となる。もちろんまだ誰が栄光の「最初の人」になるか決まっていない。しかし昨年、新しく選ばれた2人の宇宙飛行士候補の米田あゆさんがその1人に選ばれるのは間違いないと思われる。

 日本とアメリカとの宇宙計画での協力の深さと両国の特別の緊密さの賜と言える。


ルナ・クルーザーで月面を走り回る​

 JAXAとトヨタなどが開発中の月面探査車「ルナ・クルーザー」は、2031年の打ち上げ予定だ。月に行く2人目の日本人宇宙飛行士が32年に月面に行って運転し、資源などを探査する。探査車の調子にもよるが、「足」を得て、探査範囲は広がるだろう。

 誰でも月に行けるようになるのは、そのずっと先だが、テスラやアマゾンは、月面ツアーも計画するかもしれない。


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