10日、東京、北区・王子にある飛鳥山公園の桜見物に行ってきた。毎年、桜の季節に都内のあちこち(時には横浜の大岡川と外国人墓地まで出向くこともある)に観に行くが、飛鳥山公園は初めてだ。都内有数の桜の名所として知られている。
 

アスカルゴに長い列​

​ 王子駅中央口を降りて左側に出ると、目の前に緑に包まれたコンモリした丘が聳える。これが飛鳥山で、何でもかつて北区が東京都内で一番低い山として国土地理院に地形図に記入するよう申請したが採用されなかったという。都内で一番低い山は港区の愛宕山(25.7メートル)が知られるが、飛鳥山は確かに愛宕山よりも低い25.4メートルである(写真)。​

 

 

 駅を出て飛鳥山を見ると、右手にずらりと中高年層が並んでいる。25.4メートルの丘を登るのも厭う連中で、通称「アスカルゴ」というスロープカーを待っているのだ。

 この程度は何でもないので、僕はもちろん手前に設けられた階段道を登る。
 

7万3000平方メートルに桜の木650本​

 登り切ると、そこが飛鳥山公園だ。8代将軍徳川吉宗が享保の改革の一環として整備・造成を行った公園として知られる。

 現在の飛鳥山公園の東側に、明治12(1879)年、新1万円札の肖像となる渋沢栄一の別邸があった。明治34(1901)年から渋沢栄一が亡くなった昭和6(1931)年までは本邸として使われていた。そのことを記念する幟が坂道のあちこちに立てられていた。

​ 公園は、さほど広くはないが、決して狭くもない(写真)。約7万3000平方メートルという。​

 

 

 

​ 公園を取り囲むように桜の木が植えられ、また園内のあちこちにも植えられている。園内の桜の木は、ソメイヨシノも含め約650本という(​写真​)。

 

 

 


 

様々な石碑​

 前日の朝、台風並みの強い風雨があったので、少し桜は散っていた。

 それでも好天だったので、平日にもかかわらず中高年層があちこちに屯し、観桜していた。

​ 大きな石碑が、朱塗りの東屋に鎮座していた(写真)。飛鳥山碑というらしい。公園を整備した吉宗の事跡を記念し、元文2(1737)年に建立されたとある。​

 

 

​ その他に、「明治維新百年植樹記念碑」とかの高い石碑もある(写真)。明治100年は1967(昭和42)年だから、半世紀を超す年を経ている。​

 

 

​ そこから少し南に行くと、「明治三十七八年戰役記念碑」が建っている(写真)。

 

 

 「明治三十七八年戰役」とは、当時の政府の公式呼称で、日露戦争(1904年~05年)のことだ。いかにも古い歴史を感じさせる公園だ。​


博物館、史料館は次の機会に​

 公園内には「北区飛鳥山博物館」、「紙の博物館(旧王子製紙に由来する)」、「渋沢史料館」もある。ただ、これは次の機会、とした。

 区立公園ながらよく整備され、花壇の様々な色のキンギョソウの花もきれいだった(写真)。

 

 

 良い休日だった。


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