昨年は暑かった。早くに梅雨が明けて猛暑がやってきて、10月まで30℃の日が続いた。暮れも暖かく、まさに地球温暖化を予感できる年だった。


産業革命前と1.48℃も高かった昨年の世界の平均気温​

 それは、日本、東京だけの話ではない。世界的に暑かった。

 EUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」は1月9日、2023年の世界の平均気温は14.98℃と、記録の残る1850年以降で最高だった、と発表した。これまで最高だった2016年を0.17℃上回った。

​ 産業革命前と同程度だったとされる1850年~1900年の平均より1.48℃も高く、気温上昇を1.5℃に抑えるとする温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の目標値にあと1歩と迫った(写真=「地球の沸騰化」と警鐘を鳴らす国連のグテーレス事務総長)。​
 

 

過去10万年で最も気温が高かったか​

 コペルニクス気候変動サービスは、23年の平均気温の上昇は4月~12月の海面水温が記録的に高かったためだと説明している。大気中の温暖化ガス濃度が観測史上最高レベルに達したことや、南米ペルー沖の海面水温が上がる「エルニーニョ現象」が7月以降、強まり続けたことが、海面水温の上昇を招いた、と指摘した。

 同サービスの副所長、サマンサ・バージェス氏が9日に解説したところよると、「23年の気温は、少なくとも過去10万年(!)で最も高かった可能性が強い」という。

​​ 世界各地で大規模な山火事も相次いだ。ハワイ、マウイ島で起こった大規模山火事(下の写真の上)は、日本でも大きく報道されたから記憶に新しいが、カナダやギリシャ(下の写真の下=ギリシャ北東部の国立公園での山火事)で大規模山火事が起こった。​​

 

 


永久凍土が溶け、強力な温暖化効果ガスのメタンも空中へ放出​

 この世界的高温化で、シベリアやアラスカの永久凍土が溶け、地下に封じ込められていたメタンの空中への放出も増していると思われる。メタンは、二酸化炭素の25倍も温室効果が大きい。メタン排出増で温暖化が強まれば、さらにメタンの排出増へと悪循環に陥る。

 地球温暖化が目に見えるようになった以上、1日も早く温暖化にブレーキをかけないと、地球が危ない。


昨年の今日の日記:「フロン規制が奏功、オゾン層修復進み、オゾンホールが縮小、2066年には消失か、国際的環境保護の初の成果」​