12月に入り、ウクライナは厳冬に入る。テロ国家ロシアによって、一方的に国土を侵略され、二冬目を迎える。
 

テロ国家ロシアによる侵略被害は約2000億ドル​

 昨冬は、テロ国家ロシアによるミサイルなどの空爆で、電力インフラが徹底的に破壊され、ウクライナ国民の多くは厳しい冬の寒さに暖房無しを迫られた。

​ 今日まで、ウクライナが強いられた損害は莫大だ。軍人と民間人を合わせた死傷者は数十万人、被害金額はおそらく2000億ドルに達するだろう。その被害は、今も日々、積み重なっていく(写真)。​

 

 

 

 

 この被害は、侵略者に支払わせるのが当然だが、未だにテロ国家ロシアは侵略をやめていないので、具体的な賠償の見通しはない。

 しかし西側諸国は、テロ国家ロシアの国家資産を押さえている。西側の中銀に預けられた外貨準備などで、その額は推定3000億ドルだ。
 

凍結資産をウクライナに引き渡せない民主主義法制の壁​

 これをすべてウクライナに引き渡せれば、問題は解決なのだが、そうはいかないところが、民主主義の法治国家なのだ。

 例えばその大半を押さえていると見られるアメリカは、財務長官のイエレン氏がアメリカの法制ではロシア資産の第3国への移転は違法、という立場だ。

 だから凍結されてロシア資産を、ロシアの同意無しにはウクライナ復興に充当できない。

 しかしEUなどの一部の識者は、ロシアが侵略でウクライナ国民の命と財産を蹂躙した以上、ロシアの「主権」と「財産権」を保護する必要はない、と唱える向きもある。
 

最低でも年間30億ドルの利金が生まれている​

 額は、3000億ドルにはるかに及ばないが、そこから生み出される利益がある。利金なら、凍結資産に手を付けるわけではないので、基金を創設して、そこに入れてウクライナ復興に活用しても問題は無いと見られる。

 いくらくらい、あるのか?

 凍結資産全額をアメリカ国債で運用されていれば年間70~80億ドルの利金が、利子を生まない金塊での保有を考慮すればもっと少なくなるとしても、最低でも年間30億ドルの利金が出ていると見られる。

 最低30億ドルとしても、ウクライナにとって貴重な復興資金になる。これを、テロ国家ロシアに引き渡す理由はない。

 ぜひ、凍結資産をこうした形で活かしてほしいと思う。


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