昨年も、とうとう海外に行けなかった。武漢肺炎の世界的パンデミックの余波がなお残るため、あちこちがさながら鎖国状態になっている。

 海外旅行は、仕事の出張を含めて、何十度となく行ったが、もう1度行ってみたいと思う所も多数ある。しかしまだ訪れたことがなく、生涯に1度は観ておきたい所もこれまた多数あるから、再訪はなかなか叶わない。
 

イエローストーンの南に位置するグランド・ティートン国立公園、ぜひもう1度​

 アメリカのグランド・ティートン国立公園とメサ・ヴェルデ国立公園は、ぜひもう1度訪れたい度合いが最も高い。

​ グランド・ティートン国立公園は、有名なイエローストーン国立公園の南に隣接する。イエローストーン国立公園は、自然景観も野生動物観察のどちらでも世界有数だから、たいていの観光客は訪問する。僕も、かつてここを訪れ、極彩色の温泉プールの美しさとオールドフェイスフルという間欠泉の噴出に驚嘆し、バッファローの群れと群れなすワピチを間近に観て感動した。​

 その点、グランド・ティートン国立公園は、イエローストーンと一歩も二歩も譲る。
 

映画『シェーン』とかぶる雪を頂いたロッキー山脈の彼方​

 しかしかつてグランド・ティートンを訪れた時に立ち寄った、映画『シェーン』の舞台になった場所で観たロッキー山脈の美しさは、今も忘れない思い出として蘇る。

 映画で、早撃ちの名手のシェーンは、悪漢をやっつけた後、少年の「シェーン、カムバック!」という呼び声に振り返りもせず、馬に乗ってロッキー山脈の彼方に立ち去る(21年8月23日付日記:「わが名画ベスト10=中:4位『シェーン』、5位『冬の華』、6位『幸せの黄色いハンカチ』、7位『カサブランカ』」を参照)。

​ 青空の下に、一部、雪を頂く峨々たる山並みの聳える風景は、僕が生涯に見た中でたぶん最も美しいものの1つと言える(写真)。​

 

 

 


 

滞在は1時間ばかりの心残り​

​ 記憶は定かでなくなっているが、僕たちが(A級ライセンスを持つ運転好きの友人が一緒だった)車を停め、ロッキー山脈を遠望していた場所は、『シェーン』のロケ地だったように思う(写真)。ただ木造小屋以外、何もなかったような記憶がある。​

 

 

 僕たちは、そこに1時間ばかり留まっていただろうか。すぐ北のイエローストーン国立公園に急いでいて、そもそもそこは通り過ぎるだけの途中休憩の場だった。

 それが思いもよらないことに、ずっと記憶に残った。

 惜しいことをした。そこで、もっとロッキーの美しさに浸っていればよかった、と今では思う。

 再訪の機会があるかどうか……。

 (メサ・ヴェルデ国立公園は後日に)


昨年の今日の日記:「「挑戦的な日本悲観論、これからどうなる? さらに没落か、『日はまたのぼる』のか」