信じられない、驚くべき話を、ある報道で知った。

 ならず者国家ロシアが、対ウクライナ侵略戦争に使っている戦車に冷蔵庫で使われている中古の半導体が使われている、という。
 

ウクライナが鹵獲したロシア侵略軍戦車から民生用中古半導体の流用が判明​

​ この5月のアメリカ上院公聴会で、ジーナ・レイモンド商務長官の証言だ。それによると、ウクライナ防衛軍が鹵獲したロシア侵略軍の戦車を調べた結果、判明したという。ちなみに先月7日、イギリス国防省はウクライナが鹵獲したロシア侵略軍の戦車は、ロシア440両以上にのぼると発表している(写真=鹵獲したロシア侵略軍の戦車の展示で記念写真を撮る女性たち)。​

 

 

​ 単純な火砲を発射するだけと思われる戦車も、半導体が無いと砲を発射できない。内部に自前の発電機を持つが、それだと電圧のブレが激しく、そのままでは火砲の管制装置を動かせないのだ。そこで、電気の流れを整えるパワー半導体が必要になる。ちなみにパワー半導体は、1年前、日本を初め世界中の自動車メーカーが不足に陥り、生産がストップした原因となった半導体だ(写真)。エレクトロニクス化の進んだ自動車では、たとえガソリン車でもパワー半導体は必須だ。戦車も、また同じだ。​

 


 

単純な半導体すら国内で自製できないロシア​

 他国への侵略戦争に使う戦車に冷蔵庫から取り出した中古の半導体を流用している――まさに西側の制裁が効果を発揮している証だ。ちなみに、ロシアは自国で半導体を作れない。原油、天然ガス、石炭などの地下資源と穀物など一次産品に経済を頼り切り、自国で電気・電子産業を育てることを怠ってきたプーチン治世の弱点が露わになった。

 そのロシアは、同じならず者国家で自爆用ドローンを輸出してもらっているイランの支援を受け、自爆用ドローンを国産化する計画があるという。NATO軍事筋によると、ロシアはイラン製自爆用ドローンを使い切った模様だ。

 しかし自爆用ドローンの先端には、位置情報を探知し、航路を修正し、目標に誘導するパワー半導体より高度なセンサーや半導体を大量に搭載する必要がある。半導体を国内生産できないイランは、これを西側やスターリニスト中国からの密輸入に頼っているのだろうが、戦車に使うパワー半導体の確保すら困窮している電子後進国のロシアが、自爆用ドローンを自作できるのかどうか。

イランだけが頼り?​

​ ウクライナに撃ち込み、エネルギーシステムの半分を破壊しているミサイルもかなり使い尽くしつつある。これには、1000個近い高度な半導体が必要で、ロシアは確保できないだろう。だからロシアは、やはりイランからイラン製ミサイルも輸入しようとしている(写真=イランのミサイル「ゾルファガール」)。​

 

 

 半導体欠乏に対しては、スターリニスト中国が支援の手を差し伸べる可能性もあるが、習近平もロシアに横流しすれば、制裁を受ける恐れがあるリスクを冒すかどうか。

 現代の戦争は、まさに半導体を制す側が優位に立つ。確保できないロシアは、
 

昨年の今日の日記:「岸田ばらまき政権への根本的批判、借金を積み上げて経済対策をしてもナンセンスだ」