​ 岩塩「モニュメント・バレー」を出ると、僕たちはまた4駆に乗って、塩砂漠を走った。周囲、雪原のような塩砂漠は、無限に続くようである(写真)。​

 


 

塩砂漠に湧き出た温泉の池​

 空はいつの間にかドンヨリしていた。

 どこへ行くのか、分からない。あいにく、僕の分乗した4駆にガイドが乗っていなかった。先導車を追って、どこまでも走る。どこに行っても、新しい刺激が待っているだろう。

 10分ほど走ると、4駆は止まった。

​ 塩砂漠が、地下から湧き出た温泉で浸食され、ちょっとした池になっている(写真)。広さは、2000~3000平方メートルくらいか。さほど大きくはない。

 

 


 

周りの塩の溶け込んだ温泉​

 池の岸辺断面を見ると、ここでの塩の層の厚さはさほどでない。塩の層の最も薄い所に、温泉が湧き出したようだ。

​ アファール族の運転手たちが、池に手を入れている(写真)。岸の方は、触れないほど熱くはないようだ。しかし中央付近にはあちこちに温泉の噴き出し口が見え、そこらへんは100度に近くなっているだろう。周りの塩も溶け込み、きっとものすごく塩辛い温泉水になっているに違いない。​

 

 

​ その証拠に、岸の一部に塩が析出している(写真)。​

 


 

茶褐色モノトーンの風景​

 こんな所には、いかなる生物も棲めまい。いるとすれば、アーキア(古細菌)くらいだろう。

 ここでは5分ばかり、見学した。ダロール火山の熱水と違い、茶褐色以外、ここには「色」がない。

 それにしても、ダナキル低地には想像を超える景観が点在することに驚く。
 

昨年の今日の日記:「マドゥラ独裁のベネズエラでハイパーインフレ対策に3回目のデノミ、通貨単位は13年前の100兆分の1に」